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いい子だからかわいがるのではなく、かわいがるから本当のいい子になるのです。──本日、NHK「おはよう日本」で特集! 子育てのバイブル『子どもの心の育て方』

お母さん、お父さん。 どうぞ子どもを甘やかすことを決して恐れず厭わず、一生懸命にかわいがって育ててあげてください。いい子にしているときにかわいがるのではなく、どんなときにも愛してあげてください。 子どもは愛されることで、いい子になるのです。

 

この言葉を遺したのは、2017年に惜しまれつつこの世を去った児童精神科医・佐々木正美さん。遺著『子どもの心の育て方』が累計8万部を突破、いま静かなベストセラーとなっています。本日NHK「おはよう日本」でも、「子育てに悩む親たちへ」という特集で、主に親たちの間で口コミで「救われる」として話題だと紹介されました。佐々木さんの本はいずれも、具体的なノウハウではなく、親の心の持ちようを説いています。

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佐々木正美さんは1935年、群馬県前橋市生まれ。高校卒業後、信用金庫に6年間務めた後、一念発起で医学部進学、精神科医となり、児童精神科医として活躍。『子どもへのまなざし』全3巻(福音館書店)は子育てに悩む親たちから絶大な支持を受け、累計80万部のロングセラーとなりました。また自閉症の療育プログラムを米国から導入して、発達障害に対する理解を広める働きに尽力したこともよく知られています。

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『子どもの心の育て方』は亡くなる1年ほど前に出版された本。名著『子どもへのまなざし』の大事なエッセンスを、現代の忙しい親にも読みやすく凝縮した本です。子育ての軸となる普遍的な教えが凝縮されています。

 

8万部突破を記念し、本書のまえがきにあたる「はじめに」を全文公開いたします。

子育てに悩んだとき、子どもへの接し方に迷ったとき、お守りとなってくれるような言葉たちです。

 

はじめに

 

大学病院の児童精神科や小児科のほか、子どもの福祉施設や地域医療福祉施設で、50年余り働いてきました。

 

児童青年家族の精神医学の臨床に携わる者として、小さな彼ら彼女たちに、元気につつがない毎日が与えられることを祈りながら、その日々を見送ることを生業にしてきました。子どもたちが、健康で幸福に、大きくなっていってほしいという気持ちを、いつも心のうちに抱きながら、長い歳月を生きてきました。街角や電車のなかで出会う見知らぬお子さんを見ても、そういう思いが一人ひとりに向かいます。
子どもは大人、または社会をそのまま映し出している鏡です。

 

今を生きる子どもたちは、制限ばかり加えられて、自由な気持ちの発散がないように見えることがあります。誰も子どもの言い分などに、心から耳を傾ける人がいなくなってしまう時代が、もうすぐ目の前にやってきてしまうように感じることがあります。
しかし、子ども、家庭、育児、保育をめぐる環境は、時代とともに随分変化はしていても、私が児童精神科医としての人生を始めた日から現在まで、変わらない真実があります。

 

子どもの成長や発達について考える中核的なことになると、「そのことは、時代が変わっても、決して変わるものではない」と考えている大切なことがあります。  本書では、それらの「いつまでも変わらない大切なこと」をもっとも大切にしながら、一部に時代の推移とともに新たに思いついたことを加えました。

 

子どもとともに生きるすべての方がたが、長くて短い育児の期間、乳幼児期から思春期まで、いつどこからお読みいただいてもいいように、と願いながら綴りました。子どもの成長のあらゆる季節に、そっとお手元に置いていただけましたら幸いです。

 

お母さん、お父さん。

 

どうぞ子どもを甘やかすことを決して恐れず厭わず、一生懸命にかわいがって育ててあげてください。いい子にしているときにかわいがるのではなく、どんなときにも愛してあげてください。

子どもは愛されることで、いい子になるのです。

 

この小著が、お母さんやお父さんの日々の暮らしや子育てに、少しでもお役に立って、お子さんの幸せにつながっていくことを、心の底から祈っています。
佐々木正美

 

 

以下は本書の章タイトル。これだけでも、心に刺さる言葉ばかり。そして、いかに悩める親の心に寄り添ってくれる本か、伝わるかと思います。

 

・「叱られてもすぐに忘れる」「失敗しても同じことを繰り返す」これは、幼児期の子どもの大きな長所です。 子どもの反抗は、喜ぶべきものです。

・「だって」が始まったら、「やっと来たか」と、その後の成長を楽しみにしながら接しましょう。

・金銭で物を買い与えるより、手塩にかけて育ててください。手をかけすぎて子どもがダメになるなどということは、けっしてありません。

・競争心、協調性、このふたつを健全に育てるには、たくさん友だちを家によび、友だちの家にもたくさん遊びに行くことです。

「いい子」とは大人にとって「都合のいい子」のことです。いい子だからかわいがるのではなく、かわいがるから本当のいい子になるのです

・子どもは、親の社会性を見て、自ら社会性を身につけます。家庭が孤立せず「社会化」することはとても大切です。

・自分の子どもだけがうまく育つ、などということはあり得ません。周囲の仲間とともに、互いに育ち合うものだからです。

・きびしい偏差値教育の環境のなかに放り込まれてしまったとしても、親が子どもに「成績ではない価値」を伝えられれば何の心配もありません。

・親の孤独が、子どもへの過剰な期待、過剰な干渉、体罰につながってしまうことが少なくありません。

・お互いが深く依存し合える夫婦であるならば、別居婚でも、子どもがなくとも、同性でも、それは健康な関係です。

・創造性、オリジナリティは「模倣」から生まれます。子どもに「人の真似をしてはいけない」と教える必要はありません。

・小学校の休み時間と放課後は、人生で一番大切なものを学ぶ貴重な時間です。

・自分が他人にどう見られているのか、必死で探るのが思春期です。ずっと鏡を見ているのも、恋愛に夢中になるのも、必要なことなのです。

・乳幼児期にやり忘れたから「手遅れ」などということはありません。何歳からでもやり直すことはできますし、また、そうしなければなりません。

 

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子育てに自信がなくなったとき、この本をめくれば、きっとやさしく導いてくれるはずです。

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