訳者あとがき タヴァレスが作り出した暗黒の「王国」では、闇の向こうに垣間見える柔らかな灯はない──ゴンサロ・M・タヴァレス『エルサレム』訳者あとがき 木下眞穂 『エルサレム』ゴンサロ・M・タヴァレス 著 木下眞穂 訳46上製 本体2,950円(税別) 272ページ*五月二十九日、夜明け前。死病を患うミリアは痛みのあまり通りへ飛び出した。時を同じくして、自殺しようと窓から身を乗り出すミリアの元恋人、娼婦を求めさまよう精神科医の元夫、父親を探す少年と、獲物を探 2021.05.31