書評 女優の夏帆、初書評。役者のような不思議な生き物“某”をめぐる川上弘美2年ぶりの長編 評者・夏帆 「文藝2019年冬季号」に掲載掲載された書評です。『某』川上弘美 著(幻冬舎) 最近は、小説を読むよりも、実際に起こった出来事を掘り下げていくことに興味がある。それでもすこし心がくたびれたとき、ここではないどこかへ行きたいとき、小説を手にとりたくなる。なかでも、川上弘美さんは特別だ。ユーモラスで優し 2019.11.11