書評 スピノザとドゥルーズ=ガタリをつきぬける孤高の哲学者によるおそるべき触発 評者・福尾匠 われわれはなにかにつけて、これは可能だとか必然だとか偶然だとか蓋然性が高いだとか言う。こうしたボキャブラリーは哲学では「様相」と呼ばれる。日常的にも哲学的にもわれわれはさまざまに様相を割り振るが、言ってしまえば様相とは「納得」の形式であり、何であれあるものをそのものとして、つまり特異なものとして受 2019.11.27