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「文章で世の中に火炎瓶を投げたい」ダガー賞受賞で26万部突破! 王谷晶による魂のエッセイ「『ババヤガの夜』著者より」を一般初公開!

「文章で世の中に火炎瓶を投げたい」ダガー賞受賞で26万部突破! 王谷晶による魂のエッセイ「『ババヤガの夜』著者より」を一般初公開!

身初の本格長編小説『ババヤガの夜』の英訳版『The Night of Baba Yaga』(翻訳:サム・ベット/版元:Faber & Faber)が、英国推理作家協会主催のダガー賞翻訳部門を受賞。日本人としては史上初、アジアの作家としても史上2人目という歴史的な快挙を成し遂げた、王谷晶さん。
今、国内外から脚光を浴びる王谷さんが、2020年の『ババヤガの夜』単行本刊行前に書店関係者へ宛てて書いた魂のエッセイを、一般初公開!

 

 

ババヤガの夜』著者より

 

小説を読むというのは、鬱屈した人間のための娯楽であると自分は思う。小説を読むような奴は全員、腹の中にどうすればいいか分からない赤くて黒くて熱くて冷たいマグマを抱えている。主語がでかいし暴論なのは承知の上で、マジでそう思っている。

自分の小説は全て、そういうマグマを抱えて懊悩し、悶えながら生活している人たちに読んでほしくて書いています。『ババヤガの夜』は特に、自分自身のマグマも思い切り暴れさせて書きました。かっこいいと思うもの全部、怖いと思うもの全部、殺してやりてえと思うもの全部、美しいと思うもの全部、ブチ混んでこね回して書き上げました。乱暴な小説です。しかし絶対に面白いものにしようと決意して執筆を始めました。面白さで読んでくださった方の鼻っ面をぶん殴ってやるつもりで。鬱屈した小説読みの連中のハラワタが燃えるような、この小説に銭と時間を費やしてよかったと思ってもらえるような、そういうヘヴィな面白さを目指しました。

主人公新道依子の持つどうしようもない暴力性は、著者の自分の中にも確かにあります。世界を燃やしてえ。いつだって。しかし実際着火しちゃうのはいろいろダメなので、小説を書きます。河出書房新社「文藝」編集長と最初に顔合わせをしたとき、自分は「文章で世の中に火炎瓶を投げたい」と言いました。編集長は「一緒に投げましょう」と応えてくれました。暴力的な作家と暴力的な編集部のタッグによる暴力的な超娯楽小説です。楽しんでいただけたら、とても嬉しいです。

 

王谷 晶 Akira Otani

 

『ババヤガの夜』冒頭27ページを一挙ためし読み公開中!
https://web.kawade.co.jp/tameshiyomi/126559/

 

『ババヤガの夜』

暴力を唯一の趣味とする新道依子は、関東有数規模の暴力団・内樹會会長の一人娘の護衛を任される。二度読み必至、血と暴力の傑作シスター・バイオレンスアクション!

著者:王谷晶
仕様:文庫判/並製/208ページ
税込定価:748円(本体価格680円)
ISBN:9784309419657
装画:寺田克也
解説:深町秋生

 

 

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309419657/
※電子書籍も発売中です。詳細はリンク先、各電子書籍ストアでご確認ください。

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王谷晶

1981年、東京都生まれ。著書に『完璧じゃない、あたしたち』『ババヤガの夜』『君の六月は凍る』『他人屋のゆうれい』『父の回数』、エッセイ集『カラダは私の何なんだ?』『40歳だけど大人になりたい』などがある。

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