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その都市はなぜ滅び、なぜ消えたのか。世界最古の都市「チャタルヒュユク」、ソドムとゴモラ伝説「ツォアル」…歴史史料や遺跡から解き明かす、現代にも通ずる滅亡の理由を探る本
2025.11.17
どんな都市だったのか、誰が住んでいたのか、なぜ滅びたのか──。
文明の誕生以前から現在に至るまで、人々は多様な目的のもと、都市を建設して発展させてきました。
現在、地球上には無数の都市がある一方、かつては大いに繁栄しながらも、敵国に滅ぼされた都市や、人々の目的にかなわなくなって放棄された都市、火山灰に埋もれたり、海に沈んだ都市も数多あります。もう残骸が何一つ残っていない都市も無数にあるのでしょう。
しかしそのような都市でも、かつては人々が行き交って生活し、様々な人間ドラマが繰り広げられていたはずです。
『失われた古代都市 歴史に刻まれた記憶』
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『失われた古代都市』は、今となっては失われてしまった古代の都市のなかから、37の都市を取り上げ、各都市の概要と、その誕生から滅亡までを解説しています。
各都市の地図や、貴重な遺構と遺物を多数掲載しながら、都市がどのように発展し、人々がどのような生活を営んでいたか、そしてその都市がなぜ滅びたのか、どのように衰退していったのか、臨場感あふれる文章で紹介します。
■本書の構成
37点の地図と150点以上の貴重図版を掲載しながら、時代に沿って全体を大きく4部に分け、37の都市を紹介します。
第1部 最古の都市──遺構が残る人類最初期の都市を求めて
紀元前7250年ごろ〜後800年ごろに存在した都市を紹介。世界最古の都市「チャタルヒュユク」、帝国の首都にして呪われた都「アッカド」、ソドムとゴモラ伝説の「ツォアル」、ミノア文明とともに消えた「ファイストス」など、9つの都市。
第2部 トロイアからローマまで──帝国の誕生と急速な拡大、地中海世界
紀元前3000年ごろ〜後800年ごろに存在した都市を紹介。『イリアス』に描かれた伝説は事実だった「トロイア」、液状化現象で海に沈んだ港湾都市「トニス」、ドラゴンの都「シュバリス」、政治的な象徴であったがために全て焼き払われた「ペルセポリス」など、10の都市。
第3部 ローマ帝国領内──ローマ時代に創られた都市と失われた都市
紀元前850年ごろ〜後1100年ごろに存在した都市を紹介。学問と哲学の中心地「キュレネ」、最終的にはマラリアに滅ぼされた「バイアエ」、火山灰と噴石に埋没した「スタビアエ」、無から生まれた都市「ティムガッド」など、10の都市。
第4部 帝国の最果てとそれ以遠──ローマ帝国の終焉と新しい都市
紀元前1000年ごろ〜後1923年に存在した都市を紹介。21世紀になっても破壊されている砂漠の女王の都「パルミュラ」、イタリア本土を除くと最も完全な状態で保存されているギリシャ・ローマ時代の都市「ゲラサ」、忘れられた帝国の忘れられた都市「ベタ・サマティ」、地下都市として建設された隠された都市「デリンクユ」など、8つの都市。
■本書の特長
① 各都市の誕生から滅亡まで、歴史史料や遺跡などから解き明かす。
② その都市でどのような生活が営まれていたのかが、臨場感ある文章で描かれる。
③ 滅亡の理由を検証し、現在の世界が抱える問題とも照合。
④ 各都市の地図を掲載し、周辺状況の理解も高める。
■本文より
各都市紹介の冒頭には、都市名や存在期間、地図を配置。本文では、その都市の興亡の歴史や文化、特徴などを解説します。
その都市が現在どうなっているのかについての記載も。
第2部「トロイア」より。ホメロスの『イリアス』に語られるも、長い間、完全に神話上の架空の存在と考えられていた。右)トロイアの遺跡写真。
本書巻頭に入るヒッタイトの首都ハットゥシャ(現トルコ)のスフィンクス門。本書では見開きを大きく使った貴重な写真も多数掲載。ハットゥシャについては別途、第2部で詳述している。

■目次より
はじめに|過去の亡霊
第1部 最古の都市
チャタルヒュユク/スカラ・ブレイ/アッカド/パヴロペトリ/ツォアル/ハットゥシャ/マルダマン/テーベ/ファイストス
第2部 トロイアからローマまで
トロイア/トニス/ミケーネ/ティグリス河畔のセレウキア/シュバリス/プラタイア/タクシラ/ティグラノケルタ/ペルセポリス/ヌマンティア
第3部 ローマ帝国領内
グラヌム/ファレリイ・ノウィ/キュレネ/ティパサ/バイアエ/ウォルビリス/スタビアエ/メイデン・カースル/ティムガッド/アンティノポリス
第4部 帝国の最果てとそれ以遠
パルミュラ/ヴァルトギルメス/サルミゼゲトゥサ・レギア/ゲラサ/ウェンタ・シルルム/ドゥラ・エウロポス/ベタ・サマティ/デリンクユ
■著訳者紹介
著者:フィリップ・マティザック(Philip Matyszak)
古代ローマを専門とする世界的に著名な歴史学者。オックスフォード大学セントジョンズ・カレッジにおいてローマ史で博士号を取得。著書多数。邦訳に『失われた古代文明』『古代ローマ旅行ガイド』『古代ローマの日常生活』『古代ローマ帝国軍事公式マニュアル』『古代ギリシア人の24時間』などがある。
訳者:安原和見(やすはら・かずみ)
翻訳家。鹿児島県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業。訳書に『B.C.1177』『これが見納め』『銀河ヒッチハイクガイド』シリーズなど多数。『失われた古代文明』ほか、邦訳されたマティザック作品のほとんどの翻訳を行っている。
■書誌情報
書名:失われた古代都市
副題:歴史に刻まれた記憶
著者:フィリップ・マティザック
訳者:安原和見
仕様:B5変型判/上製/オールカラー
ページ数:288ページ
初版発売日:2025年11月下旬
定価:4,290円(本体3,900円)
ISBN:978-4-309-22925-6
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309229256/
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□姉妹編・好評既刊
『失われた古代文明 歴史に消えた40の民族』
彼らは何者だったのか──古代中東・地中海地域・ヨーロッパに存在し、巨大文明の陰で歴史に埋もれていった40の失われた民族を、明解な地図と多数図版を用いて解き明かす。
フィリップ・マティザック著、安原和見訳
仕様:B5変型判/上製/本文288ページ
初版発売日:2024年6月27日
定価:3,960円(本体3,600円)
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309229225/
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