お知らせ - 短歌
〈祝!定家賞受賞〉川野芽生の歌集『星の嵌め殺し』が受賞! 選考委員は、坂井修一氏、俵万智氏、穂村弘氏
2025.11.17
川野芽生さんによる歌集『星の嵌め殺し』が第2回定家賞(主催:短歌研究社)を受賞しました。
定家賞は、塚本邦雄賞の後継として2024年から短歌研究社が主催。
「選考会の前年4月1日から当年3月31日までに刊行された歌集作品(作者の第2歌集以降の作品)」を対象に、短歌という文学の可能性を広げ、深化させ得た短歌歌集作品とその作者を顕彰することを目的としています。
・定家賞 – 短歌研究社
川野芽生さんは1991年神奈川県生まれ、小説家・歌人・文学研究者として様々なジャンルで活躍中です。
2018年に連作「Lilith」で第29回歌壇賞を受賞。第1歌集『Lilith』(書肆侃侃房、2020年)で第65回現代歌人協会賞を受賞。4年ぶりの歌集『星の嵌め殺し』が、このたび定家賞の栄誉に輝きました。
■『星の嵌め殺し』収録作品より
祝祭は尽きぬ泉にあらねども花冠を食む子馬たち
──「燃ゆるものは」
嵌め殺しの瞳を一生嵌めたまますれ違ふひともけものも星も
──「八月の嵌め殺し」
かつてわが手より落としし硝子器のすべてが月の裏にかがやく
──「硝子器のすべて」
少女期を生き延びてまたここで逢ふ アリスはルイス・キャロルを捨てて
──「地上のアリス」
■ 「あとがき」より
──わたしは自分のなかで他者と対話を重ねながら短歌を作ってきました。けれどわたしの対話の相手は、「短歌」という他者、「言葉」という他者であって、生身の他者ではなかったように思います。生身、なんてものがほんとうにあるのだとして。それでも、言葉の中にはつねに他者があって、言葉を発した以上は、それは他者へと届くのでしょう。
ふしぎです。これを、あなたが読んでくれているということは。
■著者紹介
川野 芽生(かわの・めぐみ)
1991年神奈川県生まれ。小説家・歌人・文学研究者。東京大学大学院総合文化研究科単位取得満期退学。2018年に連作「Lilith」で第29回歌壇賞受賞。第1歌集『Lilith』(書肆侃侃房、2020年)で第六五回現代歌人協会賞受賞。ほか、短歌集に中川多理との共著『人形歌集羽あるいは骨』『人形歌集Ⅱ 骨ならびにボネ』(いずれもステュディオ・パラボリカ、2024年)。短篇小説集に『無垢なる花たちのためのユートピア』(東京創元社、2022年)、掌篇小説集に『月面文字翻刻一例』(書肆侃侃房、2022年)、長篇小説に『奇病庭園』(文藝春秋、2023年)、『Blue』(集英社、2024年)。エッセイ集に『かわいいピンクの竜になる』(左右社、2023年)、評論集に『幻象録』(泥書房、2024年)。
■書誌情報

『星の嵌め殺し』
著者:川野芽生
仕様:46変形判/上製/136 ページ
発売⽇:2024年7⽉29日
税込価格:2,200円(本体価格2,000円)
ISBN:978-4-309-03200-9
装丁:花山周子
URL:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309032009/
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