製本は楽しい!手仕事でつくる世界に1冊だけの「本」
美篶堂(みすずどう)
2016.01.22
『美篶堂とつくる美しい手製本』
本づくりの教科書 12のレッスン
美篶堂(みすずどう)
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数十枚の紙だったものが、
手仕事によってかけがえのない「本」になる。
手でつくる喜びを味わえる、
ユニークな授業を書籍化!
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製本に挑戦したいと考える方々に向けて、美篶堂は長らく積極的に「製本ワークショップ」を指導して参りました。
1回につき2時間半から3時間半で1冊をつくるというものですが、これは、まず1冊仕上げるという喜びを分かち合うことが、製本の理解の第一歩であると考えたからです。
こうした活動を十数年つづけるうちに、より深く製本を学びたいという声が聞こえるようになりました。
思いも寄らないことであったとともに、大変喜ばしいことでした。
美篶堂にいただく製本の依頼はさまざまです。
アートブック、詩集、写真集、絵本、芳名帳、経本など、また上製や並製、和洋も問いません。
いずれも難易度の高いもので、たとえ同じ形状の本でも材料や寸法が違えば条件が変わり、常に1冊1冊をどのようにつくり上げるかにこころを砕いてきました。
このようなことをつづけてきたからこそ、製本のむずかしさが骨身に沁みています。
しかし、それでもなお、製本は楽しいとお伝えしたい。
数十枚の紙は、製本することで、かけがえのない「本」に生まれ変わります。
それが自分の作品であり、あるいは大切なひとのためであるならなおのことです。
製本には、たくさんの様式があります。複雑で時間のかかるものも多々あります。
何冊かつくってみると、その奥深さに驚かれることでしょう。
自在につくれるようになるのは、10年かけてもむずかしいと思っていただかねばなりませんし、またこれは事実でもあります。
ただひたむきに、いかに製本に向き合うことができるかに尽きるのです。
さらに、本をつくるためには、製本以外のことも広く学ばねばなりません。
そこで、美篶堂とご縁の深いプロフェッショナルな方々にも講師をお願いし、1年、2年と時間をかけて学んでいただくための「本づくり学校」を開設しました。
開設に当たり、横浜市にあるNPO法人 五つのパンの岩永敏朗氏にアイデアとご尽力をいただいたこと、嘉瑞工房の髙岡昌生氏に活版印刷の授業をお引き受けいただいたことは、大きな力となりました。
ご賛同くださいました諸先生方にも、この場を借りてお礼申し上げます。
「本づくり学校」の授業は、十数人のためのものでした。
それがこうして教科書として出版されることとなりました。
この1冊を通して、より多くの本づくりを学ぼうとしている方々と
つながりが持てることを強く望みます。
ご一緒に、製本を、本づくりを学びましょう。
美篶堂 上島松男