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「認知症は良くならない」と決めつける時代は終わった。脳科学者でもの忘れ外来現役医師が教える、気になるあなたのチェックリストと「良くなる」根拠

「認知症は良くならない」と決めつける時代は終わった。脳科学者でもの忘れ外来現役医師が教える、気になるあなたのチェックリストと「良くなる」根拠

 

脳科学者でもの忘れ外来医師が教える 認知症はけっこう良くなる
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 「正しい知識と生活の改善で認知症はけっこう良くなる」。
脳科学者でありながら、北海道で「もの忘れ外来」の医師を現役でつとめる鴫原良仁医師はそう語ります。

 実際、ここ10年ほどで認知症という病の常識は大きく変わり、認知症は「良くならない」病ではなくなってきました。

 その「新常識」を記した新刊『脳科学者でもの忘れ外来医師が教える 認知症はけっこう良くなる』から、認知症が気になるあなたが試せる「チェックリスト」と、良くなる根拠を記した「認知症とは生活習慣で変えられる『症状』」「データでわかる認知症は『けっこう良くなる!』」を無料公開します。

 本書で最新の知識を得て、あなたの毎日が安心で、不安のないものになりますよう、願っています。

 

 

気になるあなたのチェックリスト

 最初に「認知症かもしれない」と気になっている人に向けて、下のチェックリストをまとめました。ここに書かれていることは、私が外来で患者さんのお話をお聞きしているときに、ポロッと出てきたら「あれ? あやしいな」と思うポイントです。

  • テレビを見ながら、いつの間にか寝てしまう
  • 30分を超える昼寝をする
  • 朝起きるのが遅い
  • 慣れた場所で道に迷った
  • 以前やっていた趣味を、最近していない、もしくはやめた
  • ダイエットをしたわけでもないのに、体重が減った
  • ペットボトルのふたが開けられない
  • とくに症状がないので、高血圧や糖尿病の薬を飲むのをやめた
  • 飲んでいる薬が余る
  • 毎日お酒を飲む(休肝日がない)
  • 運動をしていない
  • 人の話が速すぎてついていけない、わからない

 何個以上当てはまったら認知症ということではありません。もちろん1個でも当てはまったら認知症というわけでもありません。でも、当てはまることがあるなら、認知症になりやすい生活習慣の気配を感じます。逆に言えば、生活習慣を改めれば、伸びしろがあるかもしれません。ぜひ、本書を参考にしてみてください。

 

 

認知症とは生活習慣で変えられる「症状」

「認知症は老化だからしかたがない」「認知症は脳の萎縮で、これは治らないからしかたがない」「認知症はアルツハイマー病で、これは治らないからしかたがない」は典型的な誤解です。

 認知症は老化でも、脳の萎縮でも、アルツハイマー病でもありません。

 昔から、重症のアルツハイマー病で脳はかなり萎縮しているのに、認知症にならない人がいることは知られていました。逆にアルツハイマー病は軽く、脳は一見きれいなのに、認知症が重症の人もいます。アルツハイマー病は認知症の原因にはなりますが、アルツハイマー病が認知症なわけではありません。

 ちょっとしたカゼで、すぐ高熱を出す人がいます。逆にカゼをひいても元気なままの人もいます。カゼという病気と、熱という症状は、必ずしも一緒ではありません。

 体質などの影響で、病気の重さと症状の重さはズレます。カゼ薬を飲めば熱は下げられますが、カゼは治りません。これもまた、病気と症状が違うことを示しています。

 

 

 認知症は、アルツハイマー病などの脳の病気が原因で出てくる、ある意味「症状」です。ですから原因になる脳の病気の重さとは、けっこうズレがあります。認知症の重さは、原因になる脳の病気の重さだけではなく、生活習慣などの影響を大きく受けます。

 つまり、アルツハイマー病が治らなくても、脳の萎縮が戻らなくても、生活習慣しだいで認知症という「症状」は、けっこう良くなるのです。カゼが治らなくても、症状だけ軽くなることがあるのと同じです。

 このことがはっきりしたのは、10年ほど前。ごく最近の話です。2010年代半ばに、認知症の考え方ががらりと変わりました。それまでの「認知症はアルツハイマー病だから、薬でやっつけなくちゃ」から「認知症は生活習慣で大きく変わるから、予防も改善もできる」へと、世界は大きく舵を切ったのです。

 あなたが良くしたいのは、アルツハイマー病などの病気でなく認知症という“症状”ですね。ならば、やれることはたくさんあります。

 

データでわかる認知症は「けっこう良くなる! 」

 百聞は一見にしかず、ということで私が以前勤務していた埼玉県の熊谷総合病院の物忘れ・認知症外来の実例を紹介します。初診時に65〜86歳だった50人(男性21人、女性29人)の神経心理検査(MMSE)の点数の変化を調べてみました。

 MMSEは認知症の診断でよく使う神経心理検査で、世界でもっとも多く使われています。満点は30点で、点数が低いほど、認知機能に問題が大きいことを示します。

 初回診察時の認知機能が、平均24.8。点数だけでは判断できませんが、ちょうど日常生活に支障が出はじめるくらいの認知機能の人たちです。初診で生活指導を受けたのち、2回目に検査が行われたのは約1年後。そのときMMSEの点数が上がっていた人は、24人もいました。つまり、約半数は点数上では認知機能が改善しているようなのです。ちなみに、点数が変わらなかった人は6人、下がった人は20人でした。

 

 

 ただ、心理検査の点数の変化だけで、いちがいに認知機能が上がった、下がったとは言えません。点数は慣れや環境、気分など、認知機能以外の影響も受けるからです。

 しかし少なくとも世間一般にいわれる、「認知症は良くならない。どうしようもない。せいぜい現状維持くらい」というイメージと現実とは異なることがわかると思います。

 

 

==続きは『脳科学者でもの忘れ外来医師が教える 認知症はけっこう良くなる』でお読みください。==

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著者

鴫原良仁(しぎはら・よしひと)

認知症サポート医、脳科学者。
北斗病院精密医療センター センター長、十勝リハビリテーションセンター「もの忘れ外来」医師。
脳機能検査の経験が豊富で、とくに脳磁図検査を得意とする。大阪市立大学(現・大阪公立大学)理学部卒業後、メーカー勤務を経て香川医科大学(現・香川大学)医学部卒業、大阪市立大学大学院(現・大阪公立大学大学院)にて博士号(医学)取得。2011年より脳機能研究の分野で世界的な影響力を持つロンドン大学(UCL)で、脳機能と脳磁図技術の研究者・技術者として7年間勤務後、その経験を活かして北斗病院、十勝リハビリテーションセンター、くどうちあき脳神経外科クリニックなどで脳・認知症関連の診療と研究を行っている。

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