「文藝」2016年秋号・書評 町田康『ギケイキ 千年の流転』書評・古川日出男 【評者】古川日出男 『ギケイキ 千年の流転』町田康 著 【評者】古川日出男「もし源平戦わば」的に我々はすでに結末を知っている。源義経、という人物を知っていて、その末路を知っている。あらゆる歴史物語は─それこそ大河ドラマなどは─「知っているものを、どう愉しませるか?」との課題を抱える。しかし、ほとんどの“あらゆ 2016.07.26