「文藝」2016年春号・書評 開かれすぎの心。『コドモノセカイ』岸本佐知子 【編訳】岸本佐知子 『コドモノセカイ』岸本佐知子『コドモノセカイ』【編訳】岸本佐知子 【評者】津村記久子開かれすぎの心 子供でいることほど心もとないことはなかった。かといって大人になれば無事になるとも思えなかった。だからわたしは心もとないなりに、恐ろしいほど今を生きていた。ほとんど毎秒が綱渡りと言っ 2016.03.17