書評 爆弾、そして逃亡と裏切り。映画監督・三宅唱が評する「活劇」文学――早助よう子 著『恋する少年十字軍』 評者・三宅唱 これは活劇だ。という言葉に今ようやく、ひとまずたどり着いたのだが、これまでの道のりを。まずは一度読み通して、本を読むのってこんなに疲れるっけ、というのが最初の感想。感想というよりも肉体的な実感。一日中外にいてなんとか終電に飛び乗ったときのような。 早助さんがあとがきで「逃げる」と書いて 2020.12.02