書評 心の地下の扉が、その衝撃で開いてしまいそうだ──クォン・ヨソン『まだまだという言葉』書評│評・頭木弘樹 頭木弘樹 ここにいない人たちの大きさ 車にはねられて入院している人が「すごく痛かった」と体験を語ったとき、お見舞いの人がどんなに無神経だったとしても、「私もむこうずねをテーブルにぶつけて痛かったことがあるから、わかる」などと返事することはまずない。痛みの度合がはるかにちがうだろうくらいは誰でもわか 2021.12.02