「未来の考古学者に見つけてほしい」「ドストエフスキーの初期作品と重なる」——芥川賞ノミネートの宇佐見りん『推し、燃ゆ』に絶賛の声続々!
2020.12.18
弱冠20歳で『かか』で文藝賞を受賞、同作で最年少三島賞作家となり、文学シーンの話題をさらった宇佐見りん。デビュー後第1作目となる『推し、燃ゆ』で、第164回芥川賞にノミネートされました。
候補作となった『推し、燃ゆ』は、雑誌「文藝」で発表された作品で、掲載されるやいなや、口コミで大変な話題(口コミを一部まとめたフリーペーパーがダウンロードできます)となり、緊急単行本化。すでに4刷まで版を重ねている話題作です。
SNS等で火が付いた本作ですが、朝井リョウさん、高橋源一郎さん、町田康さん、加藤シゲアキさんなど絶賛が続々、書評等でも激賞が多数掲載されました。新人の第2作目としては大変異例なことです。
その一部をまとめました。気になったかたはぜひ本書『推し、燃ゆ』をお手にとってみてください。試し読み(大量!)もあります。
未来の考古学者に見つけてほしい
時代を見事に活写した傑作――朝井リョウ(「週刊文春」『私の読書日記』)
すごかった。ほんとに。
――高橋源一郎(「新潮」『かか』三島賞選評)
一番新しくて古典的な、青春の物語
――尾崎真理子(「読売新聞」11月22日 https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20201121-OYT8T50104/
ドストエフスキーが20代半ばで書いた初期作品のハチャメチャさとも重なり合う。
――亀山郁夫(「群像」創作合評)
今を生きるすべての人にとって歪で、でも切実な自尊心の保ち方、を描いた物語
――町田康(「婦人画報」)
すべての推す人たちにとっての救いの書であると同時に、絶望の書でもある本作を、わたしは強く強く推す。
――豊﨑由美(QJWeb) https://qjweb.jp/journal/41470/
推しは神なのか、悪魔なのか? 救いは無いのか?
――加藤シゲアキ(紀伊國屋書店新宿本店POPより)
「ダ・ヴィンチ」プラチナ本に選出!
https://ddnavi.com/review/692869/a/天にまします「推し」を地から見上げるあかりは、推しが人になった時どうなるのか。ラストであかりの「体」は? 一気読みです。
――関口靖彦(「ダ・ヴィンチ」編集長)
推しのいる人もいない人も、このひりつくようなリアルに瞠目せよ。
――大矢博子(「朝日新聞」書評)
https://book.asahi.com/article/13832361
“うらやみ”と“あこがれ”は地続きなのか? などと思いつつ、『推し、燃ゆ』の筆力にひたすら圧倒された。
――鴻巣友季子(「毎日新聞」書評)https://mainichi.jp/articles/20201003/ddm/015/070/016000c
世の中には、あかりのように、ひたむきな気持ちを捧げることで、「推し」を通して自分の輪郭を摑もうとしている人がいるのだということを知る。
――西森路代(「共同通信」書評)
私たちのいびつな実存を、あまりにも適確にすくいとった小説が世に生まれた。
――ひらりさ(「新潮」12月号)
本作が描き出したのは、「推し」に祈ることすら許されなくなった人間が、それでも生を更新し続けていこうとする魂の在り方に他ならない。
――坂上秋成(「すばる」12月号)
「推し」と表現すると何かガチでファン活動をしている人限定の、特殊な話のように聞こえてしまうが、このように「最も大切な存在」ぐらいに置き換えてみると、かなりの普遍性を持ったテーマである。
――金田淳子(「文藝」2020年冬季号)
「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」(略)「草枕」の、「雪国」の、「第七官界彷徨」の書き出しのように、一読して忘れ難いパンチラインだ。/50年後、100年後、さらにその先の世界で21世紀はじめの日本に存在していた「推し」の尊さのような感情が伝わるとすれば、「推し、燃ゆ」のような小説はそのよき材料になると思う。
――山本貴光(「文藝」2021年冬季号)
あかりはSNSに<病めるときも健やかなるときも推しを推す>と書き込む。すると<電車が停まり、蝉の声がふくらむ。送信する。隣からいいねが飛んでくる>――この空間認識の妙、この世界のありようの描写に、宇佐見りんという類まれなる作家の粋が詰まっている。
――倉本さおり(「小説トリッパー」2020冬号)
痛くて、つらくて、1ページ読む毎に魂を削られていくようだった。それでもこの物語を読まねばならないと思った。
――ふじこ(Realsoud Book)
https://realsound.jp/book/2020/10/post-636254.html