なぜ争いは起きるんだろう? 平和について考えるおすすめ本37冊『from under 30 世界を平和にする第一歩』刊行記念 - 2ページ目
選・「14歳の世渡り術」編集部
2022.09.29
Ⅱ 身近なところから考える
【社会】
『はじめての沖縄』
岸政彦 (新曜社)
歴史的な背景もあり、日本のなかでも独特の文化がある沖縄。20代の頃、観光客として訪れた沖縄に魅了され、やがて沖縄の研究者となった著者が記録する沖縄で生まれ育った人々の語りは、まるで目の前で語られているかのような臨場感があります。
【エッセイ】
『ガチガチの世界をゆるめる』
澤田智洋 (百万年書房)
「決まりだから」となんとなく守っているけど、違和感のあるルールってありますよね。 「漢検ボール」「100cm走」など、スポーツ弱者をなくす「ゆるスポーツ」を考案する著者の柔軟でユニークな思考法に触(ふ)れると、固まった頭がほぐれていくようです。
【教養】
『フェミニズムってなんですか?』
清水晶子 (文春新書)
「すべてが現状のまま、何もしなくて良い」のなら、フェミニズムは必要ない、と著者は言います。何かを「変えたい」と思うことが、フェミニズムのきっかけになる。歴史的背景から現代の様々なトピックまで、現在進行形でフェミニズムを知るための一冊です。
【ノンフィクション】
『ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く』
室橋裕和 (辰巳出版)
新大久保は「東京のコリアンタウン」として有名ですが、実は東南アジアやインド、中東など様々な地域のお店や人が集まる多国籍の街。その奥深くまで分け入った著者の体験記は、異なる文化との共生のヒントに満ちています。
【エッセイ】
『欲が出ました』
ヨシタケシンスケ (新潮社)すぐそばにある物事の新たな見方を提示する傑作絵本を多く生み出している絵本作家が、日々描きとめているスケッチに解説をつけたエッセイ集。タイトルとは裏腹に、読むとなんだか力が抜け、何気ない日常が愛おしく思えます。
【国語学】
『感情類語辞典 増補改訂版』
アンジェラ・アッカーマン/ベッカ・パグリッシ
滝本杏奈/新田享子(訳) (フィルムアート社)
「愛情」を感じたとき、「愛情」という言葉以外で表現するには? 心臓がドキドキする、じっと見つめる、相手以外の周りが見えなくなる……人間がもつ感情の表現パターンを多数収録した辞典。眺めているだけで、観察眼が養えるかも?
【ノンフィクション】
『定本 災害ユートピア なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか』
レベッカ・ソルニット 高月園子(訳) (亜紀書房)
大地震、大洪水、ハリケーン、テロなどの災害が起きたとき、パニック映画が描くような無秩序な世界ではなく、実際には困っている人に手を差し伸べる人、助け合う共同体が現れる――災害大国・日本に住む一人として、知っておきたいメカニズム。
【社会】
『あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書』
アーネ・リンドクウィスト/ヤン・ウェステル
川上邦夫(訳) (新評論)
スウェーデンの中学2年生が「社会」を学ぶための教科書です。タイトルの「あなた自身の」という言葉から、個人の人権を尊重する姿勢が感じられます。基本的な制度の知識だけではなく、社会の負の側面も隠さず、「生きる」とはどういうことかを学べます。