「文藝」2016年冬号・書評
言葉の淵に映るもの『少年聖女』
鹿島田真希
『少年聖女』 河出書房新社鹿島田真希 著 【評者】倉本さおり言葉の淵に映るもの なにかを「読む」、つまり与えられた言葉を解するとは本来、ひとりきりで昏い淵を覗きこむような行為だ。水面に映るそれはけっきょく、輪郭をあいまいにさせた自分自身の姿にほかならない。「わかった」と思って飛び
2016.11.17「【評者】倉本さおり」の検索結果 : 2件
鹿島田真希
『少年聖女』 河出書房新社鹿島田真希 著 【評者】倉本さおり言葉の淵に映るもの なにかを「読む」、つまり与えられた言葉を解するとは本来、ひとりきりで昏い淵を覗きこむような行為だ。水面に映るそれはけっきょく、輪郭をあいまいにさせた自分自身の姿にほかならない。「わかった」と思って飛び
2016.11.17加藤千恵
『ラジオラジオラジオ!』加藤千恵 【評者】倉本さおり「いま」がほどけていく場所で 深夜、自室のパソコンの画面を前に、両親が寝静まってから啜るカップヌードル。物音は極力たてないよう、けれど座椅子の上であぐらをかいた状態で、行儀の悪さはめいっぱい満喫する─。いま思えば、なんて傲慢で、
2016.08.10