単行本 - 実用
本の修理、仕立て直しをはじめましょう。
美篶堂
2017.05.17
本の修理、仕立て直しをはじめましょう。
製本職人・上島松男を父にもつ私は、
子どもの頃から本にまつわる特別な経験をしていたのかもしれません。
壊してしまった絵本がいつの間にか直してもらえていたり、
落書きが自分のアルバムの表紙になっていたり、
私の妹も、教科書の上下巻を1冊に合本してもらったことがあったり、
本にまつわる楽しい思い出がたくさんあります。
読みものとしての本だけでなく、
紙の本そのものを大好きになるきっかけをたくさんつくってもらいました。
製本を仕事として勉強するようになってからは、
奥が深くますますむずかしいと感じる日々ですが、
こうした身のまわりの本や雑誌を使ってのあそびのようなもので、
洋服を繕うように、あれこれ工夫して仕立て直しをするうちに、
自分なりの製本に出会っていったのかもしれません。
本を「お直し」の角度から見てみると、
古い本、そして小さな紙や布の端切れが
大事な宝物になるのも、楽しみのひとつです。
製本屋の美篶堂は新しい本をつくるのが仕事ですが、
親方(父)はこれまでさまざまな本の修理もしてきました。
この本は、そんな親方に教わりながらつくったものです。
ごく簡単なところから、中にはちょっとむずかしいことも掲載しました。
少しずつ、できるところから徐々に挑戦してみてください。
また、「お直し」だけでなく、
軽やかに製本を楽しんでいただけたらと、
本を自分なりにアレンジするための「仕立て直し」のアイデアも収めました。
暮らしの中で、ほんの少しでも製本がお役に立てますよう祈っています。
それでは、本の修理、仕立て直しをはじめましょう。
美篶堂 上島明子
http://www.misuzudo-b.com
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カバーの壊れた思い出の絵本、ページの脱落した雑誌、部分的に必要なガイドブック……製本技術で定評のある美篶堂に寄せられるお悩み「修理術&リメイク術」を紹介。自分の手で本が甦ります。