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勝田小百合・著『FLOWで不老』序章「FLOWを高めて美しく循環しよう」公開

勝田小百合・著『FLOWで不老』序章「FLOWを高めて美しく循環しよう」公開

17年前、ブログ「アンチエイジングの鬼」を始めるやいなや、健康美に関する圧倒的情報量と熱量でたちまち超人気ブログとなり、多数の書籍を刊行、現在は国産オーガニックコスメ&フーズブランドamritaraの創業代表兼商品開発担当をつとめる勝田小百合さん。4年ぶり待望の新刊は、身体・肌・心のFLOWの力を高め、人生をイキイキと輝かせるための知恵が満載の『FLOWで不老 循環美でオーガニックに生きる』です。本書の序章を公開します。

 

序章 FLOWを高めて美しく循環しよう

◦あなたも私もオーガニックな存在である

「細胞レベルから美しくなる」。これは私が長らく自分自身で実践し、ブログやアムリターラの商品等でみなさんに提案してきている、アンチエイジングや真の健康美を叶えるための指標です。そしてそのためには、オーガニックな成分を身体に取り入れることが必須であると私は考えています。

 オーガニックとは、農薬や化学肥料を使用しない有機農法のこととして広く知られていますが、意味はそれだけではありません。Organic の語源は Organ。オルガンは生物の“器官”や“臓器”を意味し、臓器は1つとして無駄なものはなく、体内で連携して有機的に繋がって機能しています。「オーガニック」とは、さまざまな要素が繋がりあって全体を形作る自然界の調和のことも表しています。

 

 ではいったいなぜ、美しさのためにオーガニックが必要なのか。

 ご自身の身体を見つめ直してみてほしいのですが、私たち人間の身体はそもそも、どこにも工業製品を含まずにすべて自然界にあるもので出来ていますよね。つまり、人間自体がオーガニックな存在なのです。

 人間は約60兆個の細胞の集合体です。そこに、もともと地球上になく人間が作り出した添加物や農薬などの化学成分が入ると、細胞を攻撃したり、免疫異常を引き起こしたりと、違和が生じます。体内に入った化学成分は脂肪に蓄積され、半分の量になるのに7年かかると言われています。出来るだけ摂らないほうが良いし、摂ってしまったら排出しやすい身体にしておくことが、負担もかからず細胞を美しくすることに繋がります。

 オーガニックは、余計なものがないので細胞を攻撃せず、修復作用が高く、良い栄養素が豊富に含まれていて、良いことだらけなのです。

 

◦人間と地球もまた循環している

 また、科学技術の発達がどんどん進んでいく現代社会にあって、本来オーガニックな私たちの真の美と健康は、地球環境と切り離せないことを知ってほしいと思っています。

 地球上の水は強力な重力により、今より増えることも減ることもありません。なんだか神秘的な仕組みですよね。雨が降って川に流れ、海に入って暖かい地域で雲となり、また雨になります。

 人間や動物などの生命が摂取した水分も、やがて自然界に戻り、循環して私たちに必ず還ってきます。

 私たち一人ひとりの身体も肌も、毎日食べたものと置き換わり、毎日使うものや環境の影響を受けて育まれています。

 すべてはFLOW、循環しているのです。

 

 以前私が、環境汚染物質検査をした時、「さすが勝田さん、パラベンの尿中濃度がすごく低い!」と専門家に誉められたことがありました。私としては、パラベンの入っているものなど長年使っていないのに尿中に出てくること自体に驚きました。

 パラベンとは、パラオキシ安息香酸エステルのことで、あらゆる化粧品、シャンプーなどの洗剤、食品などに入っています。分子量が非常に小さく、直接摂取しなくても経皮吸収しやすい成分。あらゆるものに入っているため、環境中にもありすぎて、私の尿からも検出されたというわけです。

「ああ、すべては循環するんだな」と身をもって痛感するきっかけになった体験でした。美しくなろうと思ったら、食べ物や化粧品はもちろんとして、環境が美しくないと、まわりまわってすべては自分自身に返ってくる。なかなかショックな出来事でしたが、アンチエイジングと環境問題の改善が1つの線上に繋がった瞬間でもありました。

 すべては循環しているから、自然が美しければ、私たちも美しくあれる。

 私たちが美しく生きれば、自然もまた美しいのです。

 

◦代謝を高めて、いつも新鮮な自分でいるために

 循環が重要なのは、私たちの身体も同じです。

 細胞レベルから美しくなるために有効なのは、身体の酸化・糖化・炎症・光老化を防ぐこと。またどうしても侵入を防げない有害な成分は、うまく排出出来る身体を作ることです。

 一口に細胞と言っても、特に大切なのは細胞を構成する膜の部分である、細胞膜。主にリン脂質で出来ている細胞膜が硬いと通気性が悪くなって栄養素を吸収したり毒素を排出する力が弱まります。まず細胞膜が柔らかくあることが大事です。

 細胞膜は脂なので、どうしても一部が酸化し、過酸化脂質を作り出します。そこで働くのが、人間の身体がもともと持っている抗酸化能力を発揮するための酵素なのですが、そこに食品添加物や残留農薬などをたくさん送り込んで外敵を増やすと、抗酸化力が弱まり、活性酸素が増えてしまいます。細胞内のDNAはコピーをしながら再生しますが、活性酸素が増えてDNAを傷つけるとミスコピーが起き、本来の働きをしない細胞が生まれます。

 それが老いであり、悪い時はがん化したり病気を招きます。細胞レベルで美しくあれば、健康美を自分の力で保つことが出来るのです。

 糖化・炎症・光老化の問題も基本的な方法論は同じで、なるべく外敵を増やさずマイナスを減らすことが重要です。

 

 全身の循環が良い状態というのは、代謝能力が高まり、血液の巡りが良いということです。代謝とは、変わり続けること。恒常性を維持しながら、新鮮な自分でいることです。私たちを作る約60兆個の細胞は毎日生まれ変わり、胃腸は5日、心臓は22日、皮膚は28日、筋肉と肝臓は60日、骨は90日かかって、すべて新しい細胞で構成されます。つまり3か月で私たちは新品に生まれ変わるのです。変わらないために変わり続けています。面白いですよね。

 お肌や髪をかわいがりがちだけど、目に見えているこれらは実は死んだ細胞です。もちろんヘアオイルでキューティクルを守ったり、肌のうるおいやシワにきくクリームを塗るのも有効ですが、死んでしまったものをかわいがりすぎず、生きている元はもっと奥にあることを意識しましょう。肌や髪といった結果を作る、因果の因を変えるのです。

 それには血液の質が一番大事です。また、肌の表皮ではなく真皮を守りましょう。どちらも表面的な対策よりも時間は少しかかりますが、身体全体を本質的に元気にしていくほうが理想的だと思いませんか。まずは3か月6か月単位で変化を実感していきましょう。

 細胞が若いというのは毛細血管がいっぱいあることでもあります。全身の毛細血管を繋げると人間一人で地球の2周半もあるんです。循環を良くして、にょきにょき伸ばしましょう。

 

◦私の考える美しさとは

 美しい人とはどういう人でしょうか。スタイルや顔の造作が整っているということも、もちろん美しさの1つの要素ではあると思いますが、すべての生き物には生物多様性があり、それぞれに個性があることがとても大事です。地球上には3000万種とも言われる多種多様な生き物がいて、これら生物はそれぞれが違うからこそ助け合えるし、持続可能な生命活動を維持出来ています。ひとつひとつの命に個性があることが、種を存続する重要な働きとなっているのです。

 人間も例外ではなく、私たち一人ひとりが唯一無二の個性を持っていることに意味があり、それぞれが固有の美しさを持っていると考えています。誰しもが持つその個性を、最大限に輝くように花開かせていることが私の考える真の美しさです。

 では固有の美しさがイキイキと開花している状態とはどういう状態でしょうか。見た目は血流が良いので肌のくすみがなくクリアで血色が良いし、瞳に濁りがなくてキラキラと輝いています。笑顔が美しく所作も美しく、自然に出来るシワも美しいし、角質と同じく死んだ細胞である髪や爪にも艶があります。表皮の角質、髪、爪というのは生命活動の最終結果とも言えて、ここが美しいことは細胞が若々しい何よりの証拠なのです。

 身体はしなやかで、筋肉がほどよくついて引き締まっていて、そして声帯も筋肉なので声にハリがあり、高音の響きがきれいというのは全身の筋肉に衰えがない証しでもあります。

 新陳代謝が良いから細胞もいつもフレッシュで、体温も高く、体内、体表の微生物バランスが良いから免疫力も高い。冒険を恐れず優しくて芯が強く、真の主体性があり、誰かのせいや出来事のせいにせず、自分の人生の責任を自分で取って人生を楽しんでいる。そして大事な人や大事なことを守るための、覚悟の美がある。それが私の考える「美しい人」です。そういうものに私はなりたい(笑)。

 

◦自然治癒力を高めることがすべての基盤になる

 人間に限らず生命には恒常性という、より良く保とうという働きが身体の内にあります。それが白血球や免疫の働きで、私たちにもともと備わっている自然治癒力です。どんなに鮮度が高くてもどんな薬をつけても、切り分けたステーキ肉を元に戻すことは出来ません。でも生きていれば薬をつけなくても傷がふさがり、血が止まり、修復します。どんなに優秀な外科医でも、人間の自然治癒力がなければ1つも手術を成功することが出来ないのです。

 自然治癒力を最大限に高める方法の1つに、カイロプラクティックがあります。脊柱(せき ちゆう)の中にある脊髄(せき ずい)の間から運動神経と感覚神経、自律神経が出ています。それが骨のゆがみによって圧迫されることで自然治癒力が妨げられるため、圧迫を取ることによって最大限に生かせる身体を作ります。私は20代の時にパニック障害を患い、骨のゆがみを正すことによって治って驚いたことがきっかけでカイロプラクティックに関心を持ちました。まさに心や体や細胞の循環を取り戻した瞬間でした。

 カイロプラクティックでは自然治癒力のことをイネイト・インテリジェンス(内なる知性)とも呼びます。自分たちの身体や心の内へ内へとアプローチしていく、この方法論は私の鬼メソッドの大元を築いています。最も内へ内へ、細分化していった単位を細胞だととらえると、この細胞を美しくすることがすべてに繫がるのではないかという見方です。

 

◦アンチエイジングは面白い実験

 私は200歳まで今の容姿を保って生きることを目標にしています。以前は世界最長寿記録がフランスのジャンヌ・カルマンさんの122歳だったのを受け、123歳を目指していたのですが、古代中国の道教の仙人の中には200歳を超えても若い外見のまま生きる人々がいたと知り、200歳に改めました。我ながらずいぶん大胆な目標設定ですが(笑)、ただ長ければ良いと考えているわけではありません。人によって刻まれている時間は違うし、大切なのはどれだけイキイキと美しいリズムで生きるかだと思います。自分の生きたい時間をご自身で考えてみてください。

 

 私にとってアンチエイジングは、面白い実験なのです。日々目の前のことに真剣に取り組んでいますが、同時にどこかでこの世に半分遊びに来ているような気分で生きていて、せっかく肉体をもらったのだからと、どんなふうにしたらできるだけ若々しくいられるかという研究と実験をしています。

 自然の叡智を発見するのが趣味であり、一番ワクワクします。その発見が誰かの役に立てたらまた楽しいのでみなさんにシェアしています。私のやっていることを全部やらなくて良いと思いますが、参考にしてもらえることがあったら嬉しいです。ぜひ一緒に「FLOWで不老」な鬼メソッドを実践して、自分と地球が循環していく感覚を持ちながら美しくなっていきましょう。

※続きは320ページと大ボリュームの本編でお楽しみください。

<目次>

序章 FLOWを高めて美しく循環しよう 
身体のFLOW
1 すべてのFLOWの根幹は血流が良いこと 
2 流れを悪くするものを減らす 
3 細胞に届けたいものは何か 
4 デトックス出来る身体の作り方 
5 自然治癒力を最大限に引き出す 
6 ホルモンのFLOWルーティーン
肌のFLOW
1 何のためのスキンケア?
2 肌のバリアを強化する
3 光老化とフィトケミカル
4 肌の環境問題
5 美肌のための栄養素
心のFLOW
1 真の主体性を持つ
2 気づく、そして手放す
3 振動数を上げる
4 わくわく、ドキドキ!
5 心も臓器だから、心のためのレシピ 
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勝田小百合

1968年大阪府生まれ。カイロプラクターとして骨の歪みの矯正から、食事や生活指導も行う代替医療の治療家。30代からエイジレスな生き方の研究を始め、2005年に始めた「アンチエイジングの鬼」が超人気ブログとなる。2008年、国産オーガニックコスメ&フーズブランドの草分けamritaraを創業し、現在も代表と商品開発を兼務。『アンチエイジングの鬼』『老けないオーガニック』等著書多数。

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