なぜ争いは起きるんだろう? 平和について考えるおすすめ本37冊『from under 30 世界を平和にする第一歩』刊行記念 - 3ページ目
選・「14歳の世渡り術」編集部
2022.09.29
Ⅲ 人を知る、世界を知る
【エッセイ】
『増補新版 いま生きているという冒険』
石川直樹 (新曜社)
高校時代にインド一人旅をして以来、北極から南極まで踏破する地球縦断、チョモランマ登頂の最年少記録を塗り替えるなど、冒険家として類まれな経験をしてきた著者が問いかける旅とは? 経験とは? 生きるとは? 世界とは?
【教養】
『魂をゆさぶる歌に出会う アメリカ黒人文化のルーツへ』
ウェルズ恵子 (岩波ジュニア新書)
ラップ、ヒップホップ、ゴスペルソング……知らず知らずアメリカの黒人文化に触れている人も多いのでは? その豊かさや魅力は、黒人差別の歴史抜きには語れません。困難を笑い飛ばし、厳しい現実を生き抜いてきた人々が教えてくれる「生きる力」とは。
【紀行】
『何でも見てやろう』
小田実 (講談社文庫)
海外に行くこと自体が珍しかった1950年代、米ハーバード大の留学生だった著者が、ヨーロッパ、中近東、インドなど22か国を貧乏旅行して書いた日本の旅行記の傑作。タイトル通り、「何でも見て」感じたままに綴った文章は、半世紀以上を経ても刺激的です。
【紀行】
『極夜行』
角幡唯介 (文春文庫)
太陽の昇らない冬の北極。朝起きても暗く、昼になっても暗く、時間の感覚さえなくなる地を、犬一匹と命がけで進む想像を絶する旅の記録。生死に関わる絶望的な状況を生き抜き、4カ月ぶりに見た太陽を、ぜひ「体験」してみてください。
【紀行】
『河童が覗いたインド』
妹尾河童 (新潮文庫)
インドに興味が湧いたら、まず開いてみてほしい一冊。町の様子、そこで生きる人や動物の姿、宿や交通事情……とにかくイラストが緻密ですごい! 細部まで見逃さない観察眼で描かれる、生き生きとしたインドに釘付けになります。
【スポーツ】
『東欧サッカークロニクル モザイク国家に渦巻くサッカーの熱源を求めて』
長束恭行 (カンゼン)
いまや一大ビジネスでもある西欧サッカー界のすぐ隣に広がる、まったく異なる東欧サッカーの世界。戦争・民族問題など揺れ動く東欧で、「自分の目で確かめる」ことを信念に取材を重ねる著者の目を通して、東欧の人たちのサッカーへの熱が伝わってきます。
【エッセイ】
『春になったら莓を摘みに』
梨木香歩 (新潮文庫)
著者が学生時代を過ごした英国の下宿で出会った人々、その暮らしを豊かな筆致で綴ったエッセイ。下宿の女主人ウェスト夫人がとにかく魅力的。多様な住人たちの生き方を、理解ができずとも大らかに受け入れてくれるその在り方こそ、「知る」ということなのかもしれません。
【海外文学】
『見えない都市』
イタロ・カルヴィーノ 米川良夫(訳) (河出文庫)
さまざまな空想都市の奇妙で不思議な報告が、短い文章でたくさん載っています。すべてが鏡合わせの都市、蜘蛛の巣の上にある都市、現代の巨大都市を思わせる連続都市など、どこにもないはずなのに、どこかにあるようで、世界がぐわんと広がります。