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なぜ怖いのか!? ジャンルごとに考察! 人気作家のホラー作品を解説とともに楽しむ『ホラーの扉』(株式会社闇・編著) 「はじめに」を試し読み!

なぜ怖いのか!? ジャンルごとに考察! 人気作家のホラー作品を解説とともに楽しむ『ホラーの扉』(株式会社闇・編著) 「はじめに」を試し読み!

『ホラーの扉』

株式会社闇編著

澤村伊智/芦花公園/平山夢明/雨穴/

五味弘文/瀬名秀明/田中俊行/梨

 

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河出文庫『ホラーの扉』は、心霊、オカルト、サスペンス……などホラーをジャンルで分類し、「なぜ怖いのか」を考察しながら、心をひきつける不思議な魅力を紹介する作品集です。

ホラーの世界で活躍している豪華作家陣による、各ジャンルに特化した8つの短篇が集結しました。

それぞれのジャンルの魅力解説によって、ホラー好きはもちろん、「ホラーが苦手」「興味はあるけど怖くて読めない」と感じているホラー初心者から楽しんでいただける入門書にもなっています。

本書より、ホラーカンパニー・株式会社闇による「はじめに」を公開いたします。「‟ホラーを解説”って、一体どういうこと……?」と思ったあなた!ぜひこのまま続きをお読みくださいませ。

 

『ホラーの扉』

===試し読みはこちら===

 

 

はじめに

 

 お化け屋敷の入り口で通行人の行動を観察していると、興味深いことがわかります。
 入り口の前を通る人の多くは、お化け屋敷に気づくと強い興味を示します。ですが、関心はあっても大半の方は体験することなく別の場所へ去って行ってしまいます。友人同士でもカップルでもおおむね反応はこのようなものです。
「あ、お化け屋敷あるよ」「うわ、ホントだ」「どうする?」「えー、辞めとこう」

 興味はある、だけど体験するのは躊躇ためらわれる、このような反応はお化け屋敷に限らず、ホラー映画やホラーゲームなどホラーにまつわる表現の前ではよく見られる光景です。ホラーは興味と行動の比率が他のエンターテイメントと圧倒的に異なるようです。

 私は、ホラー専門の会社「株式会社闇」代表の頓花とんか聖太郎せいたろうと申します。
 ホラー好きが高じてホラーだけを業務とする会社を2015年に設立しました。私たちはお化け屋敷やホラーイベントを数多くプロデュースしたり、ホラー映画やホラーゲームなどを宣伝する仕事をしています。そういった中で、さまざまなメディアでホラーの魅力を伝える活動をしてきました。ですがその活動を通じてホラーの課題が浮き彫りになってきました。
 それは冒頭にお伝えした通り「ホラーは強い関心を持たれながらも、体験してもらえないケースが多すぎる」ということです。ホラーに携わる者としてなんとも悔しい思いをしています。
 
 なぜ、このようなことが起こるのか。その原因の一つとして、ホラーがその言葉の中に多種多様なジャンルを包括しており、自分に合ったホラーと出会いにくいからではないかと考えました。
 
 多種多様の例として、私がぱっと思いつくホラーのジャンルを並べてみることにしましょう。
 心霊ホラー、サイコホラー、オカルトホラー、モンスターホラー、アニマルホラー、サスペンスホラー、パニックホラー、因習村、SFホラー、コズミックホラー、シチュエーションホラー、ゴシックホラー、デスゲーム、スプラッター、モキュメンタリーホラー、怪談……

 キリがありませんね。このように多くのジャンルを挙げることができます。
 そして、驚くべきことに同じホラーでもジャンルごとにその魅力や楽しみ方が全く異なります。ホラー好きの方でも「幽霊は好きだけどグロは駄目だ」という人もいます。また逆のケースもよく聞きます。ホラーの魅力は一括りにできないジャンルごとの壁があるようです。
 
 複雑に入り乱れるジャンルごとの楽しみ方を語り尽くすのは至難のわざです。そこで本書では代表的なジャンルに特化し、それぞれの入り口を用意してみることにしました。
 ただしジャンル分けというのも定義や境目が難しい問題を抱えています。そこで「何が恐怖の根源か」という判断基準を設け、「5W1H」を基準に分類することにしました。
 恐怖の対象が「人」なら「Who型」、恐怖の対象が「理由」なら「Why型」、恐怖の「表現方法」がポイントなら「How型」といった分け方です。
 そのような形で分類すると、カオス状態だったホラージャンルも少し整理ができます。
 
■ Who型(恐怖の根源が「人や幽霊」):心霊ホラー、サイコホラー
■ What型(恐怖の根源が「人以外」):オカルトホラー、パニックホラー、モンスターホラー、アニマルホラー
■ Why型(恐怖の根源が「理由」):サスペンスホラー
■ Where型(恐怖の根源が「場所」):シチュエーションホラー、デスゲーム、コズミックホラー、因習村
■ When型(恐怖の根源が「時」):SFホラー、ゴシックホラー
■ How型(恐怖の根源が「表現方法」):モキュメンタリーホラー、怪談、スプラッター
 ※ただし、あくまでこれは一つの解釈であり、作品によっては複数のカテゴリにまたがることがある点に注意してください。

 これから代表的なジャンルをいくつかピックアップし「このジャンルにおける恐怖の根源とはなにか」、また「その魅力や楽しみ方」を深掘りして解説していきます。
 そして本書の特筆すべき点は、それぞれのジャンルごとに、日本を代表するホラー小説家や気鋭のホラー小説家による書き下ろし短編小説をジャンル解説前に収録していることです。彼らの素晴らしいホラー作品によって、各ジャンルの魅力と特徴がより深く掘り下げられ、ホラー理解の助けとなることでしょう。

 本書はホラーの解説書でありながら、良質のジャンル特化型ホラー小説アンソロジーになっています。順番通り読み進めるのはもちろん、自分の興味あるジャンルから読み始めるのも良いでしょう。また今まで興味がなかったジャンルにあえて挑戦するのも、新たなホラーの魅力に気づく良いきっかけになるかもしれません。怖がりな方はジャンル解説を読んでから、短編小説を読むという楽しみ方もアリです。ホラーの楽しみ方は自由ですから。
 
 それでは、どうぞ扉を開けてみてください。

 

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続きは『ホラーの扉』お楽しみください
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『ホラーの扉』

株式会社闇編著

澤村伊智/芦花公園/平山夢明/雨穴/

五味弘文/瀬名秀明/田中俊行/梨

 

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著者

株式会社闇 編著

ホラー×テクノロジー「ホラテク」で、新しい恐怖体験をつくりだすホラーカンパニー。「怖いは楽しい」で“世界中の好奇心を満たす” をミッションとして、お化け屋敷など様々な場所でホラーをプロデュースする。

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