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【10月8日イベント決定】〈血縁という地獄をサバイブしてきた〉日韓で活躍する音楽家、文筆家、イ・ランによる最新エッセイ集『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』発売

「私は死ぬまで何度もこの本を開くだろう。 ――金原ひとみ(作家)」 【日韓同時発売の注目作!】

 

日本と韓国を行き来しながら、自由と独自の表現を追求し幅広い支持を集めるマルチ・アーティスト、イ・ランによる「家族」をめぐる書き下ろしエッセイ集『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』(斎藤真理子/浜辺ふう訳)が、2025年9月25日に発売となりました。

 

死にたい時許せない時救われたい時、
愛する人に会えなくなった時、
私は死ぬまで何度もこの本を開くだろう。
――金原ひとみ(作家)

 

 

イ・ラン 이랑|Lang Lee とは

Photo:Yeri Hong

 

 イ・ランは1986年1月5日、ソウル生まれのミュージシャン、エッセイスト、作家、イラストレーター、映像作家です。
 2001年、京畿道安養女子高校へ入学。2週間の登校後不登校になり、スリ高校へ転校。転校初日に退学し、検定試験に合格後、家出しました。
 翌年より雑誌でイラストや漫画の仕事を始め、06年、韓国芸術総合学校映画学科入学。猫のジュンイチを迎え、ソウル石冠洞の屋上部屋で暮らし始めます。
 09年、妊娠と中絶を経て、短編映画『変わらなくてはいけない』を制作。11年、シングル「よく知りもしないくせに」を発売。12年、初の日本ツアーを行い、アルバム「ヨンヨンスン」を発売。13年、ウェブドラマ『おなかのすいた女』制作。漫画『イ・ラン4コママンガ』刊行。16年、アルバム「神様ごっこ」を発売。韓国で最初のエッセイ集を刊行。17年、韓国大衆音楽賞最優秀フォークソング賞を受賞し、授賞式のスピーチでトロフィーを競売にかける(50万ウォンで落札)。19年、ベルリン・東京・大阪・名古屋で公演。21年、子宮頸がん診断。アルバム「オオカミが現れた」発売。22年、韓国大衆音楽賞「今年のアルバム 最優秀フォークアルバム」賞、ソウル歌謡大賞「今年の発見賞」を受賞。23年、円錐角膜の手術。ソウルクィアパレード祝賀公演。ライブアルバム「PRIDE」発売。京都エクスペリメント「1から不思議を生きてみる」公演。台湾音楽賞GIMA 審査員を務める。24年12月、非常戒厳を宣言した尹錫悦大統領弾劾デモのステージで「オオカミが現れた」を演奏など、多岐に渡る活動が熱狂的に支持されています。

 邦訳のある著書に、エッセイ集『悲しくてかっこいい人』『話し足りなかった日』、コミックエッセイ集『私が30代になった』、小説集『アヒル命名会議』、いがらしみきおとの往復書簡『何卒よろしくお願いいたします』、スリークとの往復書簡『カッコの多い手紙』があるなど、日本でも多くの読者を獲得しています。

 

「家族」をめぐるエッセイ集『声を出して、呼びかけて、話せばいいの

お母さんのせいではない。お母さんのせいではないが、お母さんを狂女になるように追い込んだ残酷なしがらみの中で、私もまた狂女に育った。それでも私は、自分の物語を世の中に示すことのできる狂女でよかった。
(「母と娘たちの狂女の歴史」P40~P41より)

 

声を出して、呼びかけて、話せばいいの』は、「文藝」2022年春季号に掲載され、大きな衝撃と反響を呼んだ「母と娘たちの狂女の歴史」を中心に書き下ろされた、「家族」をテーマとした痛切なエッセイ集。

本書執筆のきっかけとなった突然の姉の死と、姉への追憶を綴った随想、20年近くの間寄り添った愛猫、「私の赤ちゃん」ジュンイチとの惜別とダイアローグ、父と母、祖父母が辿ってきた歴史や親戚のエピソードに加え、現在の心境、生活について、また、2023年に京都で上演されたオーディオ・パフォーマンス作品を改稿し、劇作家・浜辺ふうさんが京都言葉で訳した「1から不思議を生きてみる」など、自身の表現を見つめ直すような作品まで、全19編を収録しています。

 

著者自筆タイトル・署名(本書扉ページより)

 

訳者・斎藤真理子さんが、自身のXアカウント(@marikarikari)にて、「血縁という地獄」には「朝鮮戦争以来の韓国の歴史がぴったり貼りついています。個人ひとりひとりに歴史が命中していて、みんなとても苦しむ」(2025年9月13日)と指摘しているように、このエッセイ集には、韓国の封建的な社会像、抑圧構造としての家族の姿が浮かび上がり、「個人的なことは政治的なこと」とスローガンに掲げた、1960年代アメリカでの学生運動、フェミニズム運動とも通底する、切実な訴え、社会への強い怒りが込められていることもまた事実。

いま最も洗練、先鋭化された感性によって描かれた、家族と自由を希求する言葉たちは、なぜ、これほどまでに私たちの心を揺さぶり、圧倒的な感動をもたらすのか。至高の読書体験をお約束します。

 

【目次】
体が記憶している場面たち/母と娘たちの狂女の歴史/本でぶたれて育ち、本を書く/お姉ちゃんを探して――イ・スル(1983.11.03~2021.12.10)/三つの死と三つの愛/ダイヤモンドになってしまったお姉ちゃん/お姉ちゃんの長女病/ランは早死にしそう/私の愛と死の日記/すべての人生がドラァグだ/お姉ちゃんの車です/死を愛するのをやめようか/今は今の愚かさで/あなたと私の一日/この体で生きていることがすべて/1から不思議を生きてみる/イ・ランからジュンイチへ/ジュンイチからイ・ランへ/確かな愛をありがとう

【訳者】
斎藤真理子(さいとう・まりこ)
翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳)で第一回日本翻訳大賞、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で韓国文学翻訳院翻訳大賞、ハン・ガン『別れを告げない』で読売文学賞〈研究・翻訳賞〉を受賞。他の訳書にチョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』、チョン・セラン『フィフティ・ピープル』、チョ・ナムジュ『82 年生まれ、キム・ジヨン』、ファン・ジョンウン『誰でもない』ほか多数。著書に『増補新版 韓国文学の中心にあるもの』、『隣の国の人々と出会う』など。

浜辺ふう(はまべ・ふう)
劇作家・俳優。〈九条劇〉主宰。

 

 

10月8日 『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』刊行記念 イ・ラン×中村佑子トークイベント開催決定!
『声を出して、呼びかけて、話せばいいの』刊行を記念して、10月8日(水)イ・ランさんと、映画監督、作家として活躍する中村佑子さんによるトークイベントの開催が決定しました。
本書についてはもちろん、お二人の創作活動に関する貴重なお話が聞けるプレミアムなイベントとなります。ぜひこの機会をお見逃しなく。

開催日:2025年10月8日(水)
開催時間:19:00~20:30
会場:ジュンク堂書店池袋本店 9Fイベントスペース(豊島区南池袋2-15-5)
※受付/詳細は下記イベント概要ページをご参照ください。
https://onlineservice.maruzenjunkudo.co.jp/products/j70019-251008

 

書誌情報

書名: 声を出して、呼びかけて、話せばいいの
著者: イ・ラン 斎藤真理子/浜辺ふう訳
仕様:46判/並製/208ページ
発売⽇:2025年9⽉25日
定価:1,980円(本体1,800円)
ISBN:978-4-309-20933-3
装丁:脇田あすか
写真:olu olu
書誌URL:

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309209333/

※近日中に電子書籍の発売を予定しています。詳細は各電子書籍ストアにてご確認ください。

関連本

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著者

イ・ラン

1986年韓国ソウル生まれ。ミュージシャン、作家、イラストレーター、映像作家。アルバム『神様ごっこ』で韓国大衆音楽賞優秀フォーク楽曲賞を受賞。著書に『悲しくてかっこいい人』『アヒル命名会議』など。

斎藤真理子/浜辺ふう訳

斎藤真理子

翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳)で日本翻訳大賞、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で韓国文学翻訳院大賞、ハン・ガン『別れを告げない』で読売文学賞を受賞。ほか、著訳書多数。

 

浜辺ふう

劇作家・俳優。〈九条劇〉主宰。

 

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