私が薦める河出の本

私が薦める河出の本【成田龍一さん】

『まなざしの地獄』見田宗介2008年「1973年の論文の単行本化。高度経済成長を、都市空間論として描くとともに、ひとりの青年の内面の軌跡を探り存在論的でもある。大澤真幸の「解説」も付されていて、お買い得の一冊。」(成田龍一)『井上ひさし×赤塚不二夫の笑劇場』井上ひさし/赤塚不二夫2015年「なんとも

私が薦める河出の本【島本理生さん】

『平成マシンガンズ』三並夏河出文庫、2013年「1ページ目を開いた瞬間を、今もはっきり覚えている。痛々しくて懐かしい15歳の、一瞬の永遠がわずか数行に凝縮していた。」(島本理生)━━━━━━━━━━━━━━━※河出書房新社創業130周年を記念して、河出の本をコメント付きでご推薦いただきます。週2回(

私が薦める河出の本【鈴木創士さん】

『裸のランチ』ウィリアム・バロウズ 鮎川信夫訳河出文庫、2003年「モロッコのタンジェでこの本を書いていた時、著者の腕には注射の針が刺さっていたが、この本がもたらす影響については知る由もなかった。20世紀とびきりの奇書である。」(鈴木創士)『オン・ザ・ロード』ジャック・ケルアック 青山南訳河出文庫、

私が薦める河出の本【綿矢りささん】

『白痴(1/2/3)』ドストエフスキー 望月哲男訳河出文庫、2010年「登場人物が多くて賑やかだけど、どんどんと殺伐としてゆく本作において、ムイシュキン伯爵の無垢な人柄は救いだった。会話の微妙なニュアンスを読み取れたのは、現代的で丁寧な翻訳のおかげ。」(綿矢りさ)『アイドル万華鏡』辛酸なめ子河出文庫

私が薦める河出の本【羽田圭介さん】

『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』中原昌也河出文庫、2000年「純文学小説は、自由に書かれなければならない。話の筋を読めてしまってもいいが、書かれる文章の数行先に、常に細かな意外性を散りばめなければ駄目だ。本書は小説の運動性のお手本のような高コストな文章で書かれており、それでいて笑いながら読めてし

私が薦める河出の本【渡辺麻紀さん】

『須賀敦子全集 第1巻』須賀敦子河出文庫、2006年「とりわけ「ミラノ 霧の風景」が好きです。自分が生まれ育った文化と違う国で、人と向き合い、心を織りなす密やかな痛みや寂しさや不安、じわじわと心を温める灯火のような優しさ。静かに美しい日本語で綴られる物語。心がどこかに行ってしまいそうな時、読み返す作

私が薦める河出の本【伊藤たかみさん】

『帰ってきたヒトラー(上下)』ティムール・ヴェルメシュ 森内薫訳河出文庫、2016年「無知は純真ということではない。それも、ひとつの罪だ。賛否もわかるが、まず読んでから始めよう。」(伊藤たかみ)『1980 アイコ 十六歳』堀田あけみ河出文庫、2006年「弓道部の「ラブたん」ことアイコ。主人公の、この

私が薦める河出の本【甘糟りり子さん】

『33年後のなんとなく、クリスタル』田中康夫2015年「きらびやかな物事と、それにからみつく儚さや切なさを描いたのが『なんとなく、クルスタル』だ。十代の時、その世界に憧れた。33年後、その先にある力強さを記したのが『33年後のなんとなく、クリスタル』。中年の私は多いに共感した。」(甘糟りり子)━━━

私が薦める河出の本【長野まゆみさん】

『須賀敦子全集 第1巻』須賀敦子河出文庫、2006年「スカッパ・ナポリを評して〈人間とそのあらゆる営みが四六時中、あらゆる種類の不協和音を奏でながら同時進行をつづけている〉。敦子さんの簡潔で正確な観察眼の魅力満載。」(長野まゆみ)『隠された神々』吉野裕子河出文庫、2014年「名著『蛇』が入手しにくい

私が薦める河出の本【津村記久子さん】

『秘密結社の手帖』澁澤龍彦河出文庫、1984年「『秘密結社の手帖』は高一の頃に購入して、それから20年以上の付き合いです。何度読んでも新鮮で、特にフランスの「四季の会」の記述はいつまでも読んでいたいと思える、底光りするような美しさに満ちています。」(津村記久子)━━━━━━━━━━━━━━━※河出書

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