創業130周年記念 - 私が薦める河出の本
私が薦める河出の本【松浦寿輝さん】
松浦寿輝
2016.03.08
『胡桃の中の世界』澁澤龍彦
河出文庫、2007年
「なかなか打ち解けてくれなかった神経質で気難しい少年が、ようやく心を開き、彼の宝物であるおもちゃ箱の中身をこっそり見せてくれた。そんな趣のある本。」(松浦寿輝)
『久生十蘭 ジュラネスク 珠玉傑作集』久生十蘭
河出文庫、2010年
「久生十蘭は、現実にも、人生にも、歴史にも、思想にも興味がなかった。彼が信じていたのはスタイルの美だけだ。こういう作家はあまり沢山の人に読まれてほしくない。」(松浦寿輝)
『見えない都市』イタロ・カルヴィーノ 米川良夫訳
河出文庫、2003年
「想像力は、望遠鏡のように遠くのものを近くに引き寄せることもあれば、顕微鏡のように微小なものを大きく見せることもある。この傑作には、その両方が同時にある。」(松浦寿輝)
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※河出書房新社創業130周年を記念して、河出の本をコメント付きでご推薦いただきます。週2回(火・金)配信予定。