創業130周年記念 - 私が薦める河出の本
私が薦める河出の本【菅野彰さん】
菅野彰
2016.05.06
『不幸な子供』エドワード・ゴーリー 柴田元幸訳
2016年
「物語には大抵、希望と幸いのカタルシスが幾ばくかでもある。それは現実とはかけ離れていることもあるとゴーリーは淡々と思い出させる。これもまた平凡な現実だと知る絵本だ。」(菅野彰)
『木橋』永山則夫
河出文庫、2010年
「何故なのか幼い頃から、加害者のことを考える。人だ、悪魔ではないのに何故と思う。けれど永山則夫を思うとき、故なくして彼に殺された4人の無念を決して忘れてはならない。」(菅野彰)
『ブエノスアイレス午前零時』藤沢周
河出文庫、2014年
「舞台は田舎町の「みのやホテル」。従業員のカザマと、盲いた老女ミツコが踊る。温泉卵が匂うのに、鮮やかにタイトルに引き戻されて自分が何処に居るのかさえわからなくなる。」(菅野彰)