創業130周年記念 - 私が薦める河出の本
私が薦める河出の本【宮沢章夫さん】
宮沢章夫
2016.03.15
『枯木灘』中上健次
河出文庫、2015年
「初めて中上健次の小説に触れたのは『十九歳の地図』で、思い入れは強かったが、あるとき中上健次が発見した「路地」の物語の鮮やかさはなかった。世界はまだ、ギリシア悲劇の血の物語によって支配されているのを教えられる。その衝撃はなかった。」(宮沢章夫)
『服従』ミシェル・ウエルベック 大塚桃訳、佐藤優解説
2015年
「もちろん、シリアスな話として読む以外にこれはないし、どうしたって現在のグロテスクな世界像を描いたリアリズム小説のようだ。けれど、どこまでも冗談だ。途方もない冗談だ。謎を仕掛けてほくそ笑むウエルベックの姿が浮かぶ。」(宮沢章夫)
『オン・ザ・ロード』ジャック・ケルアック 青山南訳
河出文庫、2010年
「それが正しかったかはともかく、自分がもっとも影響を受けたのは70年代の文化であり、ヒッピーカルチャーがあり、「ホール・アース・カタログ」があったと記憶をたどれば、それより過去にケルアックがいるのはあきらかだ。あの旅からすべてはじまった。」(宮沢章夫)
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※河出書房新社創業130周年を記念して、河出の本をコメント付きでご推薦いただきます。週2回(火・金)配信予定。