創業130周年記念 - 私が薦める河出の本
私が薦める河出の本【綿矢りささん】
綿矢りさ
2016.03.29
『白痴(1/2/3)』ドストエフスキー 望月哲男訳
河出文庫、2010年
「登場人物が多くて賑やかだけど、どんどんと殺伐としてゆく本作において、ムイシュキン伯爵の無垢な人柄は救いだった。会話の微妙なニュアンスを読み取れたのは、現代的で丁寧な翻訳のおかげ。」(綿矢りさ)
『アイドル万華鏡』辛酸なめ子
河出文庫、2010年
「辛酸さんの文章とイラストは、アイドルの笑顔の裏にある本性を、ついニヤリとする鋭さで突く。アイドルの楽しみ方は惚れて夢中になるだけじゃないと教えてくれる。」(綿矢りさ)
『ひとり日和』青山七恵
河出文庫、2010年
「売店の女の子が、お気に入りの男性に売り物のガムをあげて「今度来たらまたあげる」と餌付けしようとするシーンが、とても好き。大人しそうな女の子なのに、やるじゃん、という感じ。」(綿矢りさ)
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※河出書房新社創業130周年を記念して、河出の本をコメント付きでご推薦いただきます。週2回(火・金)配信予定。