斉藤壮馬さんからエッセイが届いた！　斉藤壮馬全面協力　＼濃い本しかないっ！／　河出文庫ベスト・オブ・ベスト

2019.12.23

このたびはたいへん多くの方に「斉藤壮馬全面協力　＼濃い本しかないっ！／　河出文庫ベスト・オブ・ベスト」フェアにご参加いただき誠にありがとうございました。

超読書家声優　斉藤壮馬さんの、心底の本好き具合に感銘を受け、依頼したこのフェア企画。ご本人に最も好きな河出文庫５冊を選んでいただき、その作品世界や、読んでいる心境を表現したお写真で特装カバーを作成、その５冊すべての書評を書き下ろしていただくという、本当にしっかり読みこんでいる方にしかお願いできない、ハードなフェアでした。

しかも選ばれた５冊は、河出文庫ファンも納得の、読書家に愛されるラインナップ。いずれも後に続く作品たちに強く影響を与えた５冊だったことを受け、濃い本しかないっ!をキャッチコピーとし、作品の良さ、読書の楽しさを全面に押し出す正統派のフェアを開催いたしました。

その５点はこちら。

『青が破れる』『ボルヘス怪奇譚集』『西瓜糖の日々』『ヰタ・マキニカリス』『銀河ヒッチハイク・ガイド』

ロングセラーの良書ばかり集まったフェア。いかにも地味な展開になりそうですが、なんと初回の搬入1000軒がすぐに完売、緊急重版を行うも品薄が続き、再度の重版となりました。現在全国1500軒の書店で開催されています。
この大好評を受け、全面協力の斉藤壮馬さんが、当フェアにエッセイをお寄せくださいました。
みなさんが本に出会ってくださったことに感謝し、かつ、「そもそも読書とは」を真摯に考えた素敵な一編です。

このたびは「河出文庫ベスト・オブ・ベスト」という素敵な企画に参加させていただき、本当にありがとうございます、声優の斉藤壮馬と申します。いち本好きとして、長年拝読していた河出書房新社さんのフェアにこのようなかたちで関わらせていただけて、光栄に思います。企画全体もたいへん盛り上がっているということで、皆さまの新たな本との出会いのささやかなきっかけになれたのであれば、これ以上なく幸せです。

自分はよく「縁」ということばを使うのですが、今回おそれながら書評を書かせていただいた5冊は、ぼくの人生の中で、いろんな縁があって出会い、読んできた本です。何気なく寄った町の本屋さんで、酩酊し熱く語ったあの友人の部屋で、偶然手に取ったその1冊が、思いもよらぬかたちで自分の中に積み重なっていく。積み重なっていた。今回の選書は、そんな、自分自身を形成してきた文脈を振り返るような、こそばゆくも懐かしい時間でした。

「本を読む」というのはある意味とても個人的な行為で、それは救いをもたらしてくれたり、隣にそっと寄り添ってくれたり、すこしだけ明日が楽しみになったりするような、本とわたしのあいだでのみ交わされる、ごくごく私的なことなのかもしれません。本が「読める／読めた」というのは、はたしてどういうことなのか……ぼくにもよくわかりません。それでも、ひょんなことから縁がつながって、「この本に出会えた」ということだけは、おぼろげながらもいえるのではないかな、と思っています。

だから、この素敵な企画が、これからもっとさまざまな形で共鳴しあって、さまざまな縁をつないでいくのが、とても楽しみです。そしてぼくも、声優としてみずからの決めた道を邁進するとともに、のんびりと、ゆるゆると本を読んでいきたいと思います。改めまして、今回素敵なご縁をくださった皆さまと、出会ってくれた本たちに、心よりお礼を申し上げたいです。ありがとうございました。

……なんて格好つけて長々と書いてしまいましたが、もうとにかく、めちゃくちゃ、最高に嬉しかったです！　河出さんにはまだまだ無数のエキサイティングな本たちが揃っていますので、ぼくも貪欲に、能動的に出会っていきたいと思います！　本当にありがとうございました！　

斉藤壮馬