文庫 - 日本文学

あの日から10年──。 今こそ読みたい30万部のベストセラー、いとうせいこう『想像ラジオ』

あの日から10年──。

 

静岡書店大賞(小説部門)受賞
「キノベス! 2014」1位
2014年本屋大賞候補作

 

東日本大震災を背景に、
死者と生者の新たな関係を描き、
多くの人の心を深く揺さぶった
30万部のベストセラー

『想像ラジオ』

いとうせいこう

海沿いの町で、なぜか高い杉の木のてっぺんに引っかかっているというDJ(ディスク・ジョッキー)アークがパーソナリティをつとめる番組「想像ラジオ」。彼は「想像」という電波を使って、「あなたの想像力の中」だけで聞こえるラジオ放送を続けている。リスナーから次々に届くメールを読み上げ、饒舌におしゃべりを続けるアークだったが、彼にはどうしても聞きたい、ひとつの〈声〉があった──。

 

東北大震災から10年。
全国の書店員より、10年目に読む『想像ラジオ』に、
新たにたくさんのメッセージをいただきました。

いとうさんによる朗読、千葉雅也さんや陣野俊史さんとの対談や本文試し読みが掲載された刊行時の特設サイトはこちら

 

「あのときの悲しみ、恐怖、不安、困難、全ての感情を今も鮮明に思い出します。
震災を経験した誰の心にも傷を残した出来事でした。
今、世界は先の見えない苦難に立ち向かっています。
想像力と人を思いやる気持ちを忘れてはいませんか?
この本を読んで思い出してみませんか」
──ヤマト屋書店仙台三越店 鈴木典子

 

抱えきれずに手放した記憶。
忘れたくないのに褪せていく記憶。
『想像ラジオ』であの日と今日が優しくつながる。
──丸善仙台アエル店 田中えみ子

 

私はこちら側にいるけれど、
想像力である電波がこの10年で少しずつ弱くなっていた。
もう1度チューニングしなおそ。
10年を迎える今だからこそ再読すべき小説。
──丸善仙台アエル店 朴澤千賀

 

想うことを止まなければ、いつだって声が聴こえてくる。忘却に抗うための秘義に触れる、祈りにも似た物語。
──toi books 磯上竜也

 

事実の記憶は時とともに薄らぐが想いの記憶は色褪せない。あの出来事から10年。今でもこの本の言葉は強く生きる「私たち」の想いで溢れている。
──八文字屋 金沢有一

 

あの日私たちはただただ祈ることしかできず無力であった。私たちは何ができるのか、何をすべきなのか。まずはこの本を読もう。そして想像しよう。耳を澄ませば私たちにも、あの救いの歌が聞こえてくるはずだ。
──谷島屋 斉藤晋一郎

 

「聞こえない」ではなく「聴こうとしてないだけ」かもしれない。想像力。人はなぜその周波数をつい忘れてしまうんだろう。望めばいつもそこにあるのに。
──大垣書店烏丸三条店 三木健太郎

 

もう一度伝えたい、聴きたい声。
ここにいない誰かを思う時、貴方の耳に優しい声が聞こえてくる。
──東京堂書店神田神保町店 中村彩乃

 

10年たった今も、これから何年たったとしても。
会えなくなった人に会えるなら会いたいし、声だけでも聴きたい。
どんな手段ででも繋がっていられたら。たとえ電波から一方的に聴こえる声だとしても。
だから、 どこかで想像ラジオが聴こえるかもしれない、と耳をすませる。
あのときに読んでぎゅっと切なくなった気持ちは今もまだ切ないままだ。
──ジュンク堂書店三宮駅前店 豊島寛子

 

忘れない。そう約束したのにチューニングを合わせることが減ってしまった僕にも、DJアークの声は優しい。
──紀伊國屋書店堺北花田店 星真一

 

死傷者数、重症者数、不明者数
絶望的な数字を前にして、一人ひとりの物語に耳を澄まそう。その不可能性に引き裂かれながら。これは、いとうせいこう氏によるイマジンのリミックスである!
──丸善高島屋大阪店 大下朗

 

思い出すことは、呼び戻すこと。災厄の時代に拠るべき希望の術を示す。本物の文学はよりよく生きる為の実用書だ。
──梅田 蔦屋書店 北村知之

 

否応なく風化していく記憶に、唯一絶対抗える想像力の灯。
それが『想像ラジオ』という作品です。
──紀伊國屋書店新宿本店 竹田勇生

 

死者たちの声にどれ程耳を傾けられるか、この本は人々に問う。
そのことにこの本の大きな意義がある気がします。
──三省堂書店神保町本店 竹田桃香

 

 

*『想像ラジオ』へのひとつの答え。
ノンフィクション『福島モノローグ』、発売中。

忘れたいことがある。忘れられないことがある――福島から語られる「いま」の声は、死者の声を響かせながら、未来へと向かう。『想像ラジオ』の著者による、21世紀の『苦海浄土』。

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著者

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いとうせいこう

1961年東京都生まれ。
編集者を経て作家、クリエイターとして、活字・映像・音楽・テレビ・舞台など様々な分野で活躍。1988年、小説『ノーライフキング』で、作家デビュー。1999年、『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞を受賞。2013年、『想像ラジオ』で第35回野間文芸新人賞、静岡書店大賞(小説部門)を受賞。本作は震災文学の代表作としても大きな話題となり、「キノベス! 2014」1位に輝き、本屋大賞の候補作になるなど累計30万部のベストセラーに。他の小説作品に『小説禁止令に賛同する』『夢七日 夜を昼の國』、ノンフィクションに『「国境なき医師団」を見に行く』、共著に『文芸漫談』(後に文庫化にあたり『小説の聖典』と改題)『漱石漫談』、『Back 2 Back』などがある。最新刊は、福島ゆかりの11人の女性たちに話を聴いた『福島モノローグ』。

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