創業130周年記念 - 私が薦める河出の本
私が薦める河出の本【大澤聡さん】
大澤聡
2016.07.06
『知の考古学』ミシェル・フーコー 慎改康之訳
河出文庫、2012年
「デジタル由来のニセ考古学が累々跋扈する時代だからこそ読み直さなきゃ、と思ってたら新訳が出た。こんなのまで文庫で読めるんだもんなぁ。素晴らしすぎますね。まったく。」(大澤聡)
『メディアはマッサージである――影響の目録』マーシャル・マクルーハン+クエンティン・フィオーレ 門林岳史訳
河出文庫、2015年
「ヴィジュアルとテクストの交配による「書物」の実験。早々にクリシェと化した例のプローブをみずからパフォーマティヴに上書きしてみせる。僕はヒント集として使ってきた。」(大澤聡)
『優雅で感傷的な日本野球』高橋源一郎
河出文庫、2006年
「「野球の時代=昭和」の最期に刻まれたポストモダン小説のリミット。緻密な仕掛けがぎゅうぎゅうに詰め込まれるものだから、油断すると読んでいて批評脳が作動してしまう。」(大澤聡)
【覚え書き】結果的にだけれど、「アンチ××」な3冊になった――「××」には順に、「ディシプリン」、「ブック」、「ロマン」を代入。河出文庫っぽさって、もしかしたらこの「アンチ××」に集約されるのかもしれない。