恩田陸『灰の劇場』文庫化記念! 武田砂鉄さん書評掲載。──日常と絶望は近い
評者・武田砂鉄(ライター)
今、生きている人間が全員漏れなく死ぬことになっているというのは、なかなか恐ろしい事実である。いや、でもですね、自分に限ってはそんなことなくって、もうずっと生きているんです、かれこれ540年くらいになりますかね、という人は見当たらない。みんな死ぬのだ。「死」を漠然と怖がっていた幼少期、自
2024.02.02「武田砂鉄」の検索結果 : 14件
評者・武田砂鉄(ライター)
今、生きている人間が全員漏れなく死ぬことになっているというのは、なかなか恐ろしい事実である。いや、でもですね、自分に限ってはそんなことなくって、もうずっと生きているんです、かれこれ540年くらいになりますかね、という人は見当たらない。みんな死ぬのだ。「死」を漠然と怖がっていた幼少期、自
2024.02.02***********************************************************人気作家が選ぶこれがわたしの偏愛河出文庫ベスト・オブ・ベスト***********************************************************河出
2022.10.06花田菜々子
現役書店員、花田菜々子の7万部突破のベストセラー『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』(通称:であすす)がWOWOWにてオリジナルドラマ化!毎週金曜よる23:30〜放送、WOWOWオンデマンドで配信中 &
2021.05.29評・武田砂鉄(ライター)
2021年2月15日、恩田陸さんの最新小説『灰の劇場』とKAWADEムック『文藝別冊 恩田陸 白の劇場』を同時刊行いたします。並べてみるとまるで双子のようなこの2冊は、合わせて読んでも飾っても楽しめる作品となっております。嫌でも人の「死」を意識せざるを得ない日々。しかし、私たちが視界に入
2021.02.20神崎朗子
『存在しない女たち 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く』キャロライン・クリアド=ペレス 著 神崎朗子 訳四六判/本体2,700円(税別)/424ページhttp://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309249834/データのハサミで切り刻まれる「気のせいでしょう
2020.12.02『複眼で見よ』本田靖春本田靖春のジャーナリズム論とルポ傑作選、待望の文庫化!文庫収録の武田砂鉄さんの解説を公開します。ぜひお読みください。****************解説 歪みを放置する社会で武田砂鉄 ひとまず経緯を端折ると、前ページまでの「編集付記」を書いたのは私である。単行本が刊行されたのは
2019.10.10山本貴光
初出=「文藝」2018年冬季号(第1回/第2回) 1 技術今日の文学は技術を書いていなければ十分ではない。かつてそのような意味のことを述べた作家がいた。なぜ技術かといえば、事実として現在私たちが生きている環境の少なからぬ部分が技術によってできているからだ。居住、食事、移動、通信、労働、娯楽、創作、研
2018.12.03花田菜々子
「勇気をもらえた」「まさかの感動」「面白すぎ」「思わず一気読み…」花田奈々子の実録私小説『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』(通称「であすす」)は、発売直後からSNSを中心に口コミで評判が広がり続け、多数のメディアで絶賛の声が上がり、注目を集め続け
2018.08.07山本貴光
初出=「文藝」2018年秋季号(第1回はこちら) 1 全体の傾向文芸時評はなにを対象とすればよいか。その境界線を自明視せず、考えながら探ってゆこう。前回、そのように述べた。ただし、いきなりあれもこれもと見るわけにはいかないので、まずはいわゆる五大文芸誌「群像」「新潮」「すばる」「文學界」
2018.08.01[レビュアー]武田砂鉄
人は、ある場の点として、息を吸う。その点に佇むために、誰かと線を結びながら連帯し、線が交差し合うことで区域が生まれる。個人という点が、異なる点を探し出す働きかけによって区域が保たれる。だが、やがて区域は境界を生み、個の身動きを制約し始める。「ナショナル・アイデンティティ」なるものを保有しなければ正し
2017.10.03益田ミリ/武田砂鉄
『せいのめざめ』 益田ミリ[まんが] 武田砂鉄[文] 修学旅行の夜、プールの授業、エロ本と夏休み……。「あの頃、女子は何を考えていたのだろう?」「教室の男子と性は、うまく結びつかなかった——」妄想と憧れが暴走した日々を鮮やかに描く。(cakesで試し読みできます。こちらからどうぞ
2017.02.27川名紀美
『井村雅代 不屈の魂』波乱のシンクロ人生川名紀美生い立ちから中国コーチ時代、更にはリオ五輪に向けた決意まで。周辺への丹念な取材も加えながらシンクロに人生の全てを賭けた日本代表コーチ井村雅代の執念の軌跡を描くノンフィクション。—————
2016.08.19柳美里
『ねこのおうち』柳美里 著 【評者】武田砂鉄必要悪は単なる悪である 読み進めるうちに、ふと、「死」を放置した幼少期の数日間を思い出してしまった。スーパーのレジ付近で「特売」だか「格安」だかの文句とともに五〇〇円で売られていたカブト虫を親にせがみ、これは自分が育てるからと意気込んだ
2016.08.05【評者】中島岳志
『紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす』武田砂鉄著『紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす』武田砂鉄著【評者】中島岳志「全米が泣いた」「停滞を打破するためのメソッド」「若さで改革!」「待望の文庫化」「本当の主役は、あなたです」─。巷には陳腐で紋切型の言葉が溢れている。しかも、それがそれなりの
2015.10.05