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68 万部の⼤ベストセラー『おらおらでひとりいぐも』から6 年、若竹千佐子さん待望の第2作『かっかどるどるどぅ』が発売!

 

「ひとりで⽣きる」から「みんなで⽣きる」へ ――

63歳のデビュー作で芥川賞受賞、映画化、そしてドイツ文学賞リベラトゥール賞受賞の快挙! 68万部の⼤ベストセラー『おらおらでひとりいぐも』から6年、「ひとりで⽣きる」から「みんなで⽣きる」へ、若竹千佐子さん待望の第2作!

現代社会で仕事や介護、家族やお⾦など様々な問題をかかえ孤⽴して⽣きざるを得ない、寄る辺ない⼈たちが、いかに従来とはちがった形で「共に⽣きていく」ことができるのかを描いた感動の群像劇。

「戦うっていいよね。何も、⼑もって槍もってというわけじゃないよ。戦うって⾔葉の気魄が好きなんだ」

ひとり⼀⼈の、社会に対して抗う姿を、東北弁はもちろん豊かな⽂体を駆使して活写する、著者の真⾻頂と⾔える⼀作です。

 

●若竹千佐子さんからメッセージが届きました!

 

「読者の皆様へ」 ―― 若竹千佐子さんからのメッセージ

 前作『おらおらでひとりいぐも』は、思いがけず大きな反響をいただきました。「次何を書くんですか」「いつ出ますか」どこに行ってもよく聞かれました。うれしいのと同時に次第に焦りも募りました。受賞後第一作めというのはほんとむずかしい、とよく聞きます。これ以上逆さに振るって私から何がこぼれるというのか。子どものころからの念願かなってやっとプロになれたものの、さてこれから私は何を書けばいいのか。そもそも私はこれからどう生きたらいいのか。おらはこれがらの人だ、と作中で大見得を切ったものの、う〜ん。
 時は素早く、あっという間。あれから六年が経ちました。
 執筆当時はギリおばちゃんのつもりでしたが、今では自他ともに認める「あ」付きの、つまりはばあさんになりました。五歳からゼロ歳までの四人の孫にも恵まれましたし、病を得て足が動かなくなり、手術してリハビリ専門病院に入院という羽目にもなりました。
 理学療法士さんを初めとする献身的な介護スタッフに囲まれてしだいに私にも心境の変化が生じました。
 人にケアしてもらうことの有り難さ心強さ。人と繋がり合うことの心地よさ大切さを弱くなって改めて感じることができました。
 前作ではひとり孤独に生きる老年の女の気概を書いたつもりですが、今作は反転して人とつながり分かち合う喜びを書きたいと思うようになりました。
 私の孫たちは何事もなければ、二千百年という時を見ます。その時どんな社会であればいいと私は思うのか、そういった思いを経て『かっかどるどるどぅ』は出来上がりました。
 完成した喜びと同時に、悔しさもあります。
 もっといい小説が書きたい。
 今作を書いて初めて私はプロの小説家のスタートラインに着いたのです。
 まだ見ぬ私の新しい小説を信じて改めて小説に向き合いたいと思っております。

 

●登場人物:本書の舞台「萬葉通り商店街」をめぐる人々

 里見悦子(さとみ・えつこ)
 女優になる夢を捨てきれず、つましい暮らしを送る60代後半の女性。アパートの立ち退きが迫る。

 平芳江(たいら・よしえ)
 舅姑の介護に明け暮れ、自分をもたぬまま気づけば68歳。路上で見かけた悦子に思わず声をかけ、自らの人生が動き出す。

 田口理恵(たぐち・りえ)
 大学院を出たものの就職氷河期に重なり、非正規雇用の職を転々とする30代の女性。出来心からスーパーで財布を盗んでしまう。

 木村保(きむら・たもつ)
 生きることに不器用で、自死を考える20代の男性。河川敷で「困ったらここに行け」と見知らぬ人から紙切れをわたされる。

 片倉吉野(かたくら・よしの)
 古いアパートの一室を開放し、食事をふるまう。

 

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『かっかどるどるどぅ』刊行を記念して、
第4話「よき人の」冒頭を公開!

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●書店員さん、読者からも感想の声続々!

 

あいやあ、若竹さん。まだすごい本書いだなあ。
独りっこでも、みんなど一緒でも、怖いもんなしだあ。

―― 苫米地淳さん(ブックスアメリカン 北上店)

 

まだまだ自分も頑張れる、ひとりじゃない!と感じさせてくれました。
どこから食べてもおいしいおにぎり食べたいです。

―― 牧野智子さん(椿書房)

 

語り口が日本の伝統話芸のようで、本当におばあちゃんから話を聞いているみたいに心地良かった。孤独って自分から望んだわけではないのに誰にでも平等に迫ってくるんだなと思うとコワい。
だから、誰かと一緒はいない。単純にそう思わせてくれる作品だった。

―― 大森輝美さん(紀伊國屋書店 さいたま新都心店)

 

先の見えない未来に不安しか感じられないこんな世の中だけど少しだけ光を目指して進んで行ける気がしました。

―― 吉田彩乃さん(岩瀬書店 富久山店)

 

ままならない日常に疲れてしまうこともあるけれど、「私は一人じゃない」という人と人のつながりの力を深く感じました!!
まるで、そっとそばにいてくれるような不思議な魅力に包まれました。

―― 宗岡敦子さん(紀伊國屋書店 福岡本店)

 

他者と繋がることでより強くなれること。綺麗事じゃないやり方で、実感を持って見せてくれたこの小説は本当に素晴らしいと思いました。

―― 市川真意さん(ジュンク堂書店 池袋本店)

 

芥川賞受賞後、前作を超える勢いで凄い小説を送り出すべく、6年の歳月を経た!若竹千佐子の真骨頂、東北弁をあやつり、人物に魂を吹き込む、さすがとしか言いようがない!

―― 田中由紀さん(明林堂書店 フジ西宇部店)

 

ひとりで辛い日々を耐え忍ぶ人たちの心の叫びが胸を打つ。
誰かと一緒にご飯を食べる、ただそれだけで明日を生きる勇気が湧いてくる。人間って弱いけど、誰かがいてくれれば強くなる。
こんな世の中だからこそ、間違いなく多くの人の心に響く作品だと思いました。

―― 郡司めぐみさん(ジュンク堂書店 郡山店)

 

自分の内面をあぶり出されたようで共感しかありません。
これからの人生、社会と他人と自分とどう向き合って生きていくのか…これからも何回もこの作品を読んで考えると思います。

―― 門田千春さん(TSUTAYA BOOKSTORE 重信)

 

難しい時代を生き抜く言葉が、力が、ここにある。
誰かを救うことは、誰かに救われることでもあると気づかされた。どんなに強くても、1人で生きていくことは不可能に近い。だからこそ、人はつながりを求めるのであろう。

―― 稲田容子さん(くまざわ書店 蕨錦町)

 

「かっかどるどるどぅ」と言う謎めいた言葉をどう理解し読めるかがキーポイントとなる不思議な物語。
孤独から解放されて明るい未来を生きる手助けとなるお話をあなたもぜひ。

―― 鈴木康之さん(くまざわ書店 南千住店)

 

かっかどるどるどぅは覚醒を促す天啓か。生に対峙する関の声か。孤独を飼い慣らす生き方を目指していた自分も、仲間がいるって良いなと思える日が来るのだろうか。

―― 松村智子さん(ジュンク堂書店 旭川店)

 

はじめは不思議なお話かと思った。読んでいくうちに、今を生きるすべての人の不安と悲しみの物語だと思った。内なる自分との対話と、他者との関わりが私たちには必要だ。生きるということの、どうしようもない悲しみ。その中で見つける仄かな光の尊さを感じた。

―― 猪股宏美さん(東京旭屋書店 新越谷店)

 

読むより先に声がきこえてくる。声によりそって背中をなでていたらいつのまにかしゃべっているのはわたしで、物語がただ隣にあって、背中をなでてくれていました。こんなにも、自分の中に閉じ込めていた苦しい声があった。なんの涙か分からない、安堵か、悲しみか、恨みか、苦しみか、それともこんなに美しいものを見てしまったからか。

―― 肥後さん(啓文社コア 福山西店)

 

一人称視点で語られる、それぞれの人生には辛さや苦しさ、悔しさ怒り寂しさなどの感情が前面に出ていて報われない絶望的な気持ちになるけれど、吉野さんと出会い、吉野さんの手料理を食べ、ちゃぶ台を囲んで”団欒”を味わううちに希望が顔を出して活き活きとし出す。人の一生、人の生活をすごく濃く濃く感じました。

―― 近藤梨乃さん(ジュンク堂書店 名古屋栄店)

 

独特の言いまわしにくるくると踊らさせ、あれよあれよと読み終えました。色々捨てたいと思っても捨てたつもりでも、人はこうして生かさせてしまうのだなと、泣き笑いになってしまいました。

―― 藤井美樹さん(紀伊國屋書店 広島店)

 

独特なリズムの文体の中に心がひりひりと痛む孤独の悲しみ、社会の居ごこちの悪さ。でもだからこそしみる人々のあたたかさ。純文学のブルースのような作品でした。

―― 山田由樹さん(本と文具のBSさんわ)

 

昔語りのような、東北なまりのリズムに気持ちよく読み進めていったら、これはROCK!言いたいことは言う、そして弱者にはよりそう、若竹さんの覚悟を感じました。

―― 宮野裕子さん(TSUTAYA BOOKSTORE イオンモール白山)

 

「金」や、「競争」等によって目茶苦茶になってしまった人の世。その中で、それでも決して自殺などせずに、明日を生きて行くことができるのか。ラスト4行に私は、著者の願いと希望と生き抜く決意を見ました。

―― 60代・男性

 

老女達の深い思い、達観した思いは若竹さんにしか描けない思いだと思います。ラスト6行痺れました。私自身の生も死も誰かに受け継がれ、生きていく栄養になって欲しいものです。

―― 40代・女性

 

生きずらい世の中になったもんだ。金もない、家族もいない、独りぼっちだ、孤独感や無常観にさいなまれる。でも人とのつながりとは出来るもんだ。淋しくないよ。貴方は一人じゃないよ。ほら、すぐ傍にいるから、勇気出して、手をのばしてごらん。

―― 80代・女性

 

これは救済の物語。きっとどこかに自分をみつけて、もう一度共に苦しんで、そして共に晴れ渡る。

―― 60代・女性

 

ひとりで本を読んでいると言うより、向かい合って話を聞いているようで、感じたのは若竹さんの語りの心地よさ。意味を追うよりまず身体にぽんっと入って流れ出す文章、これぞ、読書の楽しみと思う。

―― 40代・女性

 

世代が違えどどの年代でもその時の社会が生んだ理不尽さや問題に振り回されて生きているという庶民の実情が浮かび上がり、大きな共感を呼ぶ作品だと思いました。

―― 40代・男性

 

いつも一緒にいる人ではないからこそ、心のうちを明かせたり、心の拠り所になる人がいるものだと改めて実感させられました。

―― 20代・女性

 

現実のようで非現実、非現実のようで現実。今この時代をよく表した小説だと思います。

―― 40代・男性

 

実際に読み始めるとが、誰もが感じる不安を取り上げれていて、物語に吸い込まれるようでした。読み手はきっと自分の生き方を重ね合わせて、「自分の時は、、、」或いは「自分だったら、、、」そして、どうなるのか、色んな思いが巡ります。

―― 50代・女性

 

心にズドンと響く言葉の数々…哀しむ人には温かさを、傲慢な人には冷たさを与える魅惑的な東北弁。繋がり、支え合う大切さを『かっかどるどるどぅ』に教えてもらった。

―― 50代・女性

 

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待望の第2作!
単行本『かっかどるどるどぅ』ぜひお読みください!

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著者

若竹千佐子(わかたけ・ちさこ)

1954年岩手県遠野市生まれ。岩手大学卒業。2017年『おらおらでひとりいぐも』で第54回文藝賞を史上最年長の63歳で受賞しデビュー。翌年、第158回芥川賞受賞。

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