文藝

治療としての「冬眠」が普及した世界 疲れ切って眠る人と見守る人を描いた韓国人作家の短編集

 『影犬は時間の約束を破らない』パク・ソルメ 著斎藤真理子訳 評:木村紅美(作家)  韓国・光州生まれの作家パク・ソルメの小説『影犬は時間の約束を破らない』が斎藤真理子による翻訳で刊行。本作の魅力を作家の木村紅美さんが語る。  ***  フィッシュマンズのアル

もし成人男性の8割が子宮をもっていたら――日本SF界の泰斗・飛浩隆の最新刊『鹽津城』

 『鹽津城』飛浩隆 著 評:荻堂顕(作家)   日本SF大賞2冠の巨匠・飛浩隆による8年ぶりの作品集『鹽津城』が刊行。本作の魅力を作家の荻堂顕さんが語る。  ***  アンリ・マティスが「黒によって光を表現することができる」と言っているが、小説にも余白という光が存在する

文学が祈りになるとき――ガザの若き作家たちによる23篇を収めた『物語ることの反撃』レビュー

 『物語ることの反撃』リフアト・アルアライール 編藤井光 訳岡真理監修・解説 評:千種創一(歌人・詩人) 現代パレスチナを代表する詩人リフアト・アルアライール編み遺した、ガザの若き作家たちによる23篇を収めた作品集『物語ることの反撃 パレスチナ・ガザ作品集』(藤井光 訳、岡真理

暴力から逃れ、山奥の家で暮らす女性たちが身元不明の幼子を育てる…作家・木村紅美の小説『熊はどこにいるの』の読みどころ

 『熊はどこにいるの』木村紅美 著 評:はらだ有彩(テキストレーター)   独創的な小説世界で注目される作家・木村紅美による最新作『熊はどこにいるの』が刊行。本作の魅力をテキストレーターのはらだ有彩さんが語る。  ***  先日、薬局で順番を待ってい

恋愛リアリティショーから問う「物語」を消費する暴力を描く――芥川賞受賞作・安堂ホセ『DTOPIA』

 『DTOPIA』安堂ホセ 著 評:榎本空(人類学者)   文藝賞出身の気鋭作家・安堂ホセによる最新作『DTOPIA』が刊行。同書は第172回芥川龍之介賞の候補作に選出された。本作の魅力を人類学者の榎本空さんが語る。  ***  安堂ホセの

話の通じない「おじさん」との結婚生活でボロボロに…会社と家の往復でいいと思っている45歳バツイチ女性を描いた金原ひとみのエンタメ小説

 『ナチュラルボーンチキン』金原ひとみ 著 評: 高瀬隼子(作家)    平木直理(ひらきなおり)がヒーローだった。登場した時は正直警戒した。スケボーで通勤し、転んで捻挫したことを理由に在宅勤務を希望する入社五年目の編集者ってやばいやつでしょと思った。平木は確

「デモや集会で見かける人々はごく普通」陰謀論にハマる理由に迫った直木賞作家・小川哲のサイコサスペンス小説の読みどころ

 『スメラミシング』小川哲 著 評: 雨宮純(ライター)   「ワン、ツー、スリー、フォー、光の戦士!」「皆さんは光の戦士です」 これは、筆者が陰謀論関連のデモや集会で耳にしてきた言葉である。世界は闇の勢力によって支配されているが、覚醒者である光の戦士たちが集

「こんな風に人間のことも愛せたら」宮田愛萌が共感した、犬への愛を切なく描いた直木賞作家の最新作『雷と走る』

 『雷と走る』千早茜 著 評: 宮田愛萌(タレント・作家)    犬が人間と違うということはよくわかっていた。私の家にも犬がいる。小さくてほやほやと甘やかされた七キロのダックスで、ハウスの段差につまずいて転んだり、ベッドから落ちたりするどんくさい犬。それでも犬

温かくも意外とシビアな下町を舞台にした吉本ばななの最新小説とは? 人気エッセイスト古賀及子が魅力を語る

 『下町サイキック』吉本ばなな 著 評:古賀及子(ライター、エッセイスト)    見えないなにかが見えてしまう中学生のキヨカと、その能力を理解しながら繊細な成長をあたたかく見守る、近所で自習室を運営する友おじさん。下町で生活感をもってそれぞれに暮らすふたりは、日々理屈で

わかりやすくない有害な男性らしさが生む混乱を描く 俳優・長井短の小説『ほどける骨折り球子』を児玉雨子が読む

 『ほどける骨折り球子』長井短 著 評:児玉雨子(作家、作詞家)   「きっと何者にもなれないお前らに告ぐ」という名台詞がアニメファンの間で話題になったのは何年前のことだろう。顧みれば、当時の社会は「何者かになるべきである」という課題に頭のてっぺんまで浸されていたように

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