海外文学

『その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか』冒頭試し読み

==↓ためし読みはこちらから↓==『その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか』 アグラヤ・ヴェテラニー松永美穂訳  1  天国を想像してみる。 天国はとても大きいから、わたしは自分を安心させようとして、すぐに眠ってしまう。 目が覚めたときには、神さまは天国より少し

「ドイツ文学史上最も強烈な個性」アグラヤ・ヴェテラニーとは誰か?ーー『その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか』訳者・松永美穂さんによるあとがきを先行公開

ピエロの父、曲芸師の母、踊り子のわたしーー。祖国ルーマニアを逃れて放浪生活を送る、サーカス一家の末娘。『その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか』は、39歳で非業の死を遂げた作家アグラヤ・ヴェテラニーが、生前唯一遺した自伝的小説です。幼少期からの諸国放浪生活ゆえに、15歳まで読み書きのできなか

アダニーヤ・シブリー『とるに足りない細部』 訳者あとがき全文公開

著者アダニーヤ・シブリーは、1974年にパレスチナに生まれた。イースト・ロンドン大学で博士号を取得し、現在はベルリンを拠点に執筆活動を行っている。2002年に『触れる』、2004年に『私たちはみな等しく愛から遠い』を発表して注目を集め、2009年には39歳以下の有望なアラブ人作家39名を集めた「ベ

ナボコフが才能を絶賛した《新世代の代弁者》デルモア・シュワルツとは誰か?――『夢のなかで責任がはじまる』訳者・小澤身和子さんによる「あとがき」を全文公開!

「夢のなかで責任がはじまる」という、たった一本の短編小説で、一夜にして二十世紀アメリカ文学史上に伝説を残した作家、デルモア・シュワルツ。ウラジーミル・ナボコフが、サリンジャーの「バナナフィッシュ日和」と並べて高く評価したその作品は、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、ソール・ベロー、ハンナ・アーレ

クリステン・R・ゴドシー『エブリデイ・ユートピア』刊行記念  訳者・高橋璃子さんあとがきを発売に先駆け無料公開

歴史は夢みる人によってつくられてきた。必読 ―― トマ・ピケティが絶賛!家族の形や住まい、所有、教育などの私的領域から社会を変えるための思想や多様なコミュニティの実践例を紹介し、ユートピア=夢物語という捉え方を覆す、革新的な1冊。本書の訳者である高橋璃子さんの「訳者あとがき」を 5月28日の発売日に

絶望的な状況を笑い飛ばす「絞首台のユーモア」──『マーリ・アルメイダの七つの月』訳者あとがき先行公開

1990年、スリランカ内戦の混乱を舞台にしたゴースト・ミステリ『マーリ・アルメイダの七つの月(上・下)』は、その新時代の魔術的想像力、鋭い政治的諷刺、そして悲しく燃えたぎる笑いによって高く評価され、2022年ブッカー賞を受賞しました。グロテスクな惨状を貫く愛と笑いの物語はどのように書かれたのか。本書

不条理なこの現実を生き残るための、変身と反撃の作品集──カレン・ラッセル『オレンジ色の世界』刊行!訳者・松田青子あとがき公開

この度、現代アメリカ文学の最前線にいる作家のひとり、カレン・ラッセルの最新作品集を刊行します。悪魔に授乳する新米ママ、〈湿地遺体〉の少女に恋した少年、奇妙な木に寄生された娘、水没都市フロリダに棲むゴンドラ乗りの姉妹──。ダークでファンタジックな想像力で現実の不条理をえぐりだすラッセルの、よりいっそう

ミレニアル世代による、アフリカン・アメリカン文学の新潮流――ダンティール・W・モニーズ『ミルク・ブラッド・ヒート』訳者あとがき公開

@Marissa Pilolli デビュー作『ミルク・ブラッド・ヒート』が刊行されると、アメリカの有力誌が次々と絶賛し、一躍アメリカ文学の最前線に立つひとりとなったダンティール・W・モニーズ。待望の日本語版発売がいよいよ近づいてきました。死に取り憑かれた少女たちの誓約を描いた表題作を含め、

出版自体が事件となった映画監督の自伝――ウディ・アレン『唐突ながら』訳者あとがき公開

 現代アメリカを代表する映画監督のひとりにして、多くの俳優から尊敬を集めてきたウディ・アレンは、#MeToo運動で過去の児童性的虐待疑惑(アレンいわく「事実無根」)が再燃し、アメリカ映画界から追放状態となりました。書き下ろしの自伝もまた、直前になって出版中止に追いこまれます。 その直後に別の出版社か

674階建巨大タワー国家を舞台にした韓国SFの金字塔が斎藤真理子訳で刊行!

地上からの脅威が迫り、下層階を軍隊、上層階を富裕層が占める巨大タワー国家〈ビーンスターク〉をめぐる、韓国SFの金字塔となる作品『タワー』(ペ・ミョンフン著/斎藤真理子訳)を発売いたしました。本書の「訳者あとがき」で、斎藤真理子さんは以下のように本作を評しています。本作の魅力を伝える文章だと思うので、

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