単行本 - 日本文学

『夏目漱石解体全書』の漫画家・香日ゆら先生に聞く、漱石の魅力

今年は文豪・夏目漱石生誕150年。各地で展示が開かれたり、漱石アンドロイドが講演したり、新宿に記念館が開館予定だったり、全国で盛り上がっています。このたび、漱石を愛してやまない漫画家・香日ゆら先生による『夏目漱石解体全書』が刊行となりました。漱石の人生や作品、記念館、ゆかりの人々などを、豊富なイラストや漫画と共に紹介した、決定版ともいえる漱石ガイドである本書。著者の香日先生に、漱石の魅力と書籍についてうかがいます。

* * * * *

 

――漱石にハマったのはいつ頃ですか? 何がキッカケでしたか?

 

香日■2005年ごろ、幕末から明治期の人物の評伝などを好んで読んでいたころに、夏目漱石と正岡子規が友人だと知って「本当に?」とちょっと疑ったのがきっかけです。

 

――疑いから(笑)。ということは、漱石作品からではなく「夏目金之助」からハマったんですね。漱石のここが特にオススメ!というポイントはありますか?

 

香日■いろいろあって選びづらいのですが……ハマってから、漱石は自分の髪が天然パーマでしなやかなのが自慢だったということを知ったんです。で、千円札の漱石をよくよく見てみたら、本当に髪がくるくるしていて。ずっと見てきたはずの千円札なのに! 知ればこんな発見が! と面白かったです。

 

――漱石は家族や友人、門下も個性的な人がたくさんいますね。

 

香日■そうですね、おもしろエピソードには事欠きません。自分で文章を書き残してくれる方が多いので、その文章からまた人となりもうかがい知ることができて楽しいです。今回彼ら・彼女らの人物紹介(「Ⅲ章 漱石をめぐる人々」)を書くにあたって、改めて来歴などを確認して、個性的なだけじゃなく、すごい人達なのだなぁという思いを新たにしました。

 

――『夏目漱石解体全書』というだけあって、すごくたくさん情報が詰まっていますね。こういう情報はどのように蓄積されたのでしょう?

 

香日■好きで知りたくて、本もいっぱいあるから片っ端から読んで、引用元や気になる参考文献を探してまた読んで……の繰り返しですね。地方者なので、インターネット通販で古書が気軽に買える時代で本当に助かりました。文学の学問はしたことがないので、もしかしたらその世界では「常識」なことを知らないかもという不安はあります。

 

――この本の中の「漱石アルバム」を見ると、漱石はなかなかイケメンですね。ところで最近、マンガやゲームなど、文豪をモデルにした作品も増えてきましたね。

 

香日■10年ちょっと前には想像もしていませんでしたが、今文豪に興味を持った方にはいろんな方面にとっかかりが多くて羨ましいなぁと思います。間口が広くなれば、それだけ本人の著作に触れるきっかけも増えますよね。文豪が気になったら「設定資料集」でも見るつもりで、気楽に手を出して作品を読んでみてほしいです。面白くなかったらやめて次の本に手を出せばいいだけですし!

 

――読者になにか一言お願いします。

 

香日■漱石を調べながらじわじわ考えていた、こんな感じだったらもっと見やすいかも、この情報はまとめてあれば便利なのに……を、多くの方のご協力を得てぎゅっと一冊にまとめることができました。私が先達の書かれた沢山の本にお世話になったように、この本もまた漱石を知りたい方のお役に立てれば嬉しいです。もちろんこの本に書ききれないこともいっぱいあるので、ぜひ次の本次の本……と深みにハマっていってほしいです。

 

・香日ゆら先生もコメントを寄せた鎌倉文学館の「漱石からの手紙 漱石への手紙」は7月9日まで開催中

*本書の一部もWeb河出で公開中です!こちらから

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著者

香日ゆら

漫画家。青森県生まれ。著書に『先生と僕――夏目漱石を囲む人々』『漱石とはずがたり』『大正四葉セレナーデ』、短編集『ステラ』など。

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