単行本 - 日本文学

63歳主婦のデビュー作がいきなり芥川賞受賞! 『おらおらでひとりいぐも』の若竹千佐子さんってどんな人?

写真:小林紀晴写真:小林紀晴

【63歳・主婦が突如、芥川賞作家になるまで。】
2017年10月、1つの作品が発表されました。
若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』
岩手県遠野市出身の専業主婦・若竹千佐子さんが書いたデビュー作となる小説で、選考委員の藤沢周さん、保坂和志さん、斎藤美奈子さん、町田康さんが絶賛し第54回文藝賞を受賞したこの作品は、「文藝 2017年秋季号」で発表。掲載されるやいなや、大変な反響を呼びました。

 

【発表直後から絶賛の嵐!】
まず、佐々木敦さんが3つの文藝雑誌の新人賞が同時に発表されていることにふれ
「明らかに際立っているのは文藝賞を受賞した若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」である。」
「表面的な佇(たたず)まいよりもはるかに野心的で手の込んだ、かなりよく考え抜かれた作品」
「才能ある新人作家の誕生」
と絶賛。(東京新聞 10月31日 文芸時評より)

他新聞各紙でもすべての全国紙で絶賛の評が掲載され、11月には早くも単行本が発売となりました。
また、すぐに絶賛のコメントを発表した久米宏さんに招かれ、TBSラジオ「久米宏 ラジオなんですけど」に出演し、物語の一節をみずから朗読。「これは私の話だ」と聴衆者の胸を打ち、大反響。発売直後にも関わらず、重版が決定しました。

 

9784309026374

【63歳まで専業主婦、子どもの頃の夢は小説家】

そんな若竹さん、63歳までは専業主婦。
岩手県遠野市に生まれ、小学生のとき、図書室で「このなかに自分が書いた本が1冊あったらいいなあ」と小説家を夢見ましたが、思うだけのぼんやりした夢だったとのこと。その後、岩手大学教育学部卒業後、臨時採用で働きながら先生を目指しますが、何度も採用試験に失敗。失意のころ夫と出会い、結婚。30歳のとき夫婦で上京し、子供二人に恵まれ、家事に育児にと充実した生活を送ります。

ところが55歳のとき、夫が急死。
実はその頃、愛する家族と楽しい毎日を送りながらも「妻は家庭の副班長」ではないか、という思いから「人はやっぱり自分が主役の人生を生きたい」と、子どもの頃の夢だった小説を少し綴り始めていたときでした。
自分のその思いが愛する夫を死なせてしまったのでは、と、ますます落ち込んでいました。
「そばにいた人がいなくなって、形のあるものがなくなったときに、初めて本当の絶望感というものが分かりました」と語る若竹さん。

その絶望に浸っているところ、長男から「どこにいても寂しいんだから、外へ出ろ」と小説講座に通うことをすすめられ、子どもの頃の夢だった小説に初めて本格的に取り組むこととなります。

「夫が亡くなったとき私は本当に絶望しましたけど、後になって考えてみると絶望だけではなくて、実は心のどこかでほっとして、これから自分の人生を生き直すんだって思った」(若竹さん)

 

 

【『おらおらでひとりいぐも』ってどんな本?】
『おらおらでひとりいぐも』は、若竹さんと同じように、東北から上京して、夫に先立たれた74歳の「桃子さん」が主人公。
子供は手を離れ、夫には先立たれ、ペットの犬も死に、本当に「おひとり様」となった今、たくさんの内心の声が聞こえてくるようになります。故郷の東北弁、上京してから使うようになった標準語。それらが入り乱れて勝手に会話を展開する桃子さんの脳内。
ひとりの老後を生きる桃子さんの、自分の脳内で会話している、という設定だけ聞くとやや地味なお話。なのに明るく元気に「おらおらでひとりいぐも」=「自分は自分でひとりで生きていく」気持ちになれる、さわやかで希望あふれる読後感に、多数の若い読者から「こんな老後なら生きてみたい」と熱い感想が寄せられています。
さわやかな老後おひとり様小説。
超高齢化社会、独居老人が社会問題となっている今、心から勇気づけられる小説、小説家の誕生です。

 

【早くも12万部突破!】

書店への注文殺到を受け、本日17日、河出書房新社は本作の5万5千部増刷を決定しました。受賞前からすでに話題作で12刷・6.5万部であった同作の発行部数は、計12万部となります。

こちらから試し読みできます。
【web河出】63歳、史上最年長受賞、渾身のデビュー作ーー第54回文藝賞『おらおらでひとりいぐも』刊行記念特別試し読み

 

若竹さんご本人による朗読ムービーも公開! 東北弁です!

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