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『源氏物語』について|編集部より

『源氏物語』について|編集部より

『源氏物語』について|編集部より

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*書籍詳細は河出書房新社公式HPまで

*『源氏物語』角田光代訳 特設ページ

*池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 特設サイト

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二〇一四年十一月に第一巻、池澤夏樹訳『古事記』から刊行を開始した「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」。その最後を飾るのが今年九月から刊行が始まる角田光代訳『源氏物語』全三巻です。

紫式部によって約千年前に書かれた『源氏物語』は、いわずとしれた世界最古の長篇小説であり、世界規模で読まれている最大の日本文学作品です。日本文学史へ多大な影響を与えたのはもちろんのこと、海外でも多くの作家に愛され、現代でもカズオ・イシグロやイーユン・リーなど、好きな小説として『源氏物語』を挙げる作家は少なくありません。

『源氏物語』は、「桐壺(きりつぼ)」から「夢浮橋(ゆめのうきはし)」までの五十四帖で成り立ち、輝く皇子(みこ)として生まれた光源氏が、女たちとさまざまな恋愛を繰り広げる華麗な物語であると同時に、そこには生と死、無常観など人生や社会の深淵が描かれています。

『源氏物語』の素晴らしさは、四〇〇人以上もの登場人物が織りなすストーリーの面白さ、卓越した構成力、きめ細やかな心情を豊かに綴った筆致にあり、約八〇〇首もの和歌に加えて、漢詩、漢文など、文学、宗教、歴史が盛り込まれた壮大かつ重層的な作品です。

これまで与謝野晶子、谷崎潤一郎、円地文子、瀬戸内寂聴など、文豪たちが現代語訳に挑み、さまざまな訳が出たことで広く一般にも親しまれてきましたが、原稿用紙四〇〇〇枚ほどとも言われる長さゆえに、たとえ現代語訳でも読み通すには覚悟がいる作品の筆頭と言えるかもしれません。

 

このたびお届けする角田光代訳は、何より小説としての面白さが堪能できる『源氏物語』です。

『源氏物語 上』には、一帖「桐壺」から二十一帖「少女(おとめ)」までを収録します。類い稀なる美しさと才を兼ね備えた光源氏の誕生から、女君たちとの恋の遍歴、藤壺への思慕など、若き光君を描いた巻となります。『源氏物語』のなかでももっとも知られる名場面の連続で、夕顔の怪死、葵の上と六条御息所との車上対決、不義の子の誕生など読みどころが満載です。

 

角田光代訳の特徴は、

①原文に忠実に沿いながらも現代的で歯切れがよく、心の襞に入り込む自然な訳文
②地の文の敬語をほぼ廃したことで細部まで分かりやすい
③生き生きとした会話文
④草子地(そうしじ)の文と呼ばれる第三者の声を魅力的に訳して挿入
⑤和歌や漢詩などの引用は全文を補って紹介

などにあり、読みやすさの工夫を凝らしました。

これまでの現代語訳で挫折した方も、この角田訳なら必ず最後まで辿りつけることをお約束します。

『源氏物語』という、とてつもなく大きな作品を心ゆくまで堪能できる角田訳『源氏物語』、まずは『源氏物語 上』をご高覧いただけたら幸いです。

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河出書房新社 日本文学全集編集部

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