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祝!野間文芸新人賞受賞記念 古谷田奈月『神前酔狂宴』の、ここがすごい!ポイントまとめ

古谷田奈月さんの長編小説『神前酔狂宴』は、発売直後から多数のメディアで絶賛の声が上がり、SNSでも口コミで評判が広がり続け、注目を集めています。それらの大反響の中から、ほんの一部をご紹介いたします。

 

この圧倒的喜劇を読んでいると安心する。あまりにも簡単に人の愛とやらを煽り立てる「祝祭」とその感動という幻影が、見事な手捌きで「虚」の引き出しにしまわれていくさまがひたすらに正確で痛烈で滑稽で、快哉を叫びたくなる。
ーー鳥飼茜

 

 

なぜ人は自分の言葉や虚構に飲み込まれていくのか。その歓喜と狂気を描いた傑作。
ーー中島岳志

披露宴会場の仕事の細部を本物の現場感覚で見事に描きだし、結婚とは何かという普遍的な事柄とともに、神社や宗教を絡めてテーマを広げ、全部をうまく溶け込ませている。橋本治『草薙の剣』とも共通する、時代との独特の接し方。
ーー佐伯一麦(「群像」創作合評)

 

 

立ち位置なんて、決めたくない! 強い意志をもつ主人公浜野。相棒は、熱血青年の梶。正義を背負って参戦する、神道女子の倉地。
登場人物の葛藤が、なんともチャーミングな痛快作。古谷田奈月さんは、華燭の典の楽屋の壮絶な闘いをすべて書きつくされた。
ーー石田千(「群像」創作合評)

 

 

従来の結婚式小説とは違い、神道それ自体を描き出し相当奥行きのある作品に仕上がっている。震災やオリンピック会場の建設などの時事的な事柄をも主人公の経験に沿って語る、一種の平成史小説。
ーー陣野俊史(「群像」創作合評)

 

 

軽妙な語り口ですがすがしい読み心地。神社政治のメカニズムの扱いにも慣れた彼が、ライバル関係をうまくやり過ごし実現させるのは、全く新しいお一人様での結婚式。荒唐無稽のようでいて、意外と切なく、締まった結末。
ーー阿部公彦(「共同通信」)

 

 

軍神も神社も架空のものだが、いかにもなリアリティがあり、ワリの良い仕事だからと軽い気持ちで働き始めた主人公を通して、読者は「天皇制」の「日本」の「社会」と「家族」の不可思議に対峙させられる。力作である。
ーー佐々木敦(「東京新聞」)

 

高堂の天皇への忠誠、高堂という軍神に見守られることで成立する婚姻、神道をめぐる新旧のせめぎあい、すべてを統べるように日本の中心に存在する皇居。浜野の“成長“には、近代以降の日本がなだれ込んでいる。こういう奇抜な発想がどこからわくのかと、古谷田の作品を読むといつも思う。
ーー栗原裕一郎(「週刊新潮」6月6日号)
https://www.bookbang.jp/review/article/568780

 

今月のプラチナ本(「ダ・ヴィンチ」11月号)
https://ddnavi.com/review/567780/a/

 

右寄りの思想の空無な状態を劇画化し、それだけでなく、彼らの寄る辺なさに哀切を漂わせている。さらに、この物語の射程は広く、現代における婚礼の差別主義を暴いているようにも読める。紛れもなく著者の代表作となるだろう。
ーー長瀬海(「週刊読書人」5月3日)
https://dokushojin.com/article.html?i=5373

 

今作は、一作ごとに切り口を変えていく古谷田奈月の小説の中でも、紛れもない傑作だと思う。同時に意欲作だ。ジェンダーやアイデンティティを取り上げた作品が多い中で、もう一歩踏み込んだその奥を描こうとしている。国や宗教といった生々しいものを扱いながら、けして生臭くならないのは古谷田さんだからこそ。
ーー池澤春菜(「文藝」2019年秋季号)

 

 

題材は超古風だが、まったく新しい小説の出現を感じた。神社とその結婚式場がこんなバトルとエンターテインメントの場になるとは。いま最も力のある新鋭作家の一人だ。
ーー鴻巣友季子(「週刊新潮」9月5日号)
https://www.bookbang.jp/review/article/582772

 

 

各人が独自の視点を持ちながら、自身の心と対話しながら現実を生きている。結婚や宗教といった伝統や社会システムも、じつは彼らによって認識され、理解され、再解釈されてゆく。歴史とはそうやって「更新」されてゆくものであるということを、今どきの若者の視点を通して明らかにしてくれる、そんな小説である。
ーー鈴木裕之(「週刊文春」9月26日号)
https://bunshun.jp/articles/-/14201?utm_source=twitter.com&utm_medium=social&utm_campaign=socialLink

 

 

なんでみんな、結婚を披露するの? 現代日本のリアル描く『神前酔狂宴』
ーー鳥澤光(「GINZA」9月号)
https://ginzamag.com/culture/1909greview-b/

 

 

結婚式に対する批評的な視点も含め、この長編は読みごたえたっぷりのお仕事小説といえる。
ーー日本経済新聞書評(8月24日)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO48914020T20C19A8MY6000/

 

 

虚にのみ込まれている快感で、はちきれそうになっている披露宴の描写は最高に狂っている。まさに『神前酔狂宴』というタイトルにふさわしい。読み人間にまで快感を与える中毒性がある。
ーー大垣書店イオンモールKYOTO店 辻香月「京都新聞」8月25日)
https://twitter.com/kyoto_bungei/status/1166348398229950470

 

 

披露宴に捧げた16年の月日を通して婚姻や家族、組織と社会が隠し持ついびつさと、何かを信じるという行為に心を囚われた人々が併せ持つ真摯さと滑稽さを喜劇的に描き出す、抱腹絶倒の披露宴狂騒曲。
ーー林みき(「Numero TOKYO」8月号)

 

 

現代において「人は何を信じて生きるのか」という大きな問いを背景にもつ、前代未聞の破天荒な「結婚披露宴」小説の誕生を祝福したい。
ーー仲俣暁生(「婦人公論」2019年10月8日号)
https://fujinkoron.jp/articles/-/1020

 

 

『神前酔狂宴』、タイトルもデザインも凄いけど何より物語、素晴らしかったです。訳のわからない常識と全速力で鬼ごっこ。本当に面白かったです。
ーー鳥飼茜(7月11日 twitter)
https://twitter.com/torikaiakane/status/1149294270303461376

 

 

古谷田奈月『神前酔狂宴』は『文學界』の新人月評担当の二人とも(村上克尚さんも私も)ベスト5のひとつに選びました。
ーー小川公代(7月17日 twitter)
https://twitter.com/ogawa_kimiyo/status/1151340427003355136

 

 

すこぶる面白い!!面白さパーティー!!
ーー新井見枝香(8月7日 twitter)

 

【特別対談】古谷田奈月×中島岳志「なぜ日本人は右傾化するのか? 誰もが「居場所」を過剰に求める時代」(「現代ビジネス」7月12日)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65673

 

 

結婚式と披露宴について、人はディテールにはこだわるが、その意味をあまり考えないだろう。壮大なパロディーを最後に用意することで、経験者は誰もが考えざるを得ない。
ーーBOOKウォッチ編集部(BOOKウォッチ 9月17日)
https://this.kiji.is/546456546201322593?c=535843299845702753

 

TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」
特集「セッション・夏の推薦図書!」倉本さおり×荻上チキ(7月26日)
https://www.tbsradio.jp/393194

 

*********著者インタビュー*********

朝日新聞「古谷田奈月さん「神前酔狂宴」インタビュー 「虚飾」に尽くす快感と危うさ」
https://book.asahi.com/article/12592367

 

 

毎日新聞「今週の本棚・本と人 『神前酔狂宴』 著者・古谷田奈月さん」
https://mainichi.jp/articles/20190901/ddm/015/070/016000c

 

 

東京新聞「「当たり前」を疑う 『神前酔狂宴』 作家・古谷田奈月さん」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/book/kakuhito/list/CK2019082502000200.html

 

 

産経新聞「虚飾にまみれた結婚式 作家・古谷田奈月さんが描く『神前酔狂宴』」
https://www.sankei.com/premium/news/190905/prm1909050001-n1.html

 

 

週刊読書人「古谷田奈月インタビュー それをいつ受け入れたのか? 古谷田奈月著『神前酔狂宴』」
https://dokushojin.com/article.html?i=5804

 

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