日本文学

第56回文藝賞受賞記念対談 磯﨑憲一郎×遠野遥
唯一無二の語り口ーー型にはめる圧力に抵抗する小説、28歳の新たなる才能

写真:宇壽山貴久子第56回文藝賞受賞作『改良』(遠野遥著)が、11月15日に単行本として刊行されました。異性装をモチーフに男女の性差以前の生のあり方を、極限の絶望で描き出した本作。受賞を記念し、選考委員のひとりである磯﨑憲一郎さんと、その創作の背景について語り合いました。 自分自身をも疑う

「ラップと小説の語り」陣野俊史ーー『北野武第一短篇集 純、文学』書評

ラップと小説の語り陣野俊史(小説家・文芸評論家・フランス文学者)  北野武名義での、初の短篇集である。五つの作品が収録されている。「ホールド・ラップ」、「実録小説 ゴルフの悪魔」、「誘拐犯」、「粗忽飲み屋」、そして「居酒屋ツァラトゥストラ」。書き方もリズムもかなり異なる小説たちだ。その点だ

女優の夏帆、初書評。役者のような不思議な生き物“某”をめぐる川上弘美2年ぶりの長編

「文藝2019年冬季号」に掲載掲載された書評です。『某』川上弘美 著(幻冬舎) 最近は、小説を読むよりも、実際に起こった出来事を掘り下げていくことに興味がある。それでもすこし心がくたびれたとき、ここではないどこかへ行きたいとき、小説を手にとりたくなる。なかでも、川上弘美さんは特別だ。ユーモラスで優し

朝吹真理子が読む、村田沙耶香の“まじめに狂った“最新自選短編集『生命式』

 わたしたちはみえないものをとりかわして生きている。誰かと向きあって話しているとき、いくばくかの菌を交換している。自家製の味噌やぬか漬けは、かき混ぜているひとの手の常在菌が乳酸菌とむすびついて発酵しているからできあがる。○○さんのぬか漬けおいしい、おいしいです、そう言いながら食べているとき、そのひと

祝!野間文芸新人賞候補記念 古谷田奈月『神前酔狂宴』の、ここがすごい!ポイントまとめ

古谷田奈月さんの長編小説『神前酔狂宴』は、発売直後から多数のメディアで絶賛の声が上がり、SNSでも口コミで評判が広がり続け、注目を集めています。それらの大反響の中から、ほんの一部をご紹介いたします。 この圧倒的喜劇を読んでいると安心する。あまりにも簡単に人の愛とやらを煽り立てる「祝祭」とそ

『北野武第一短篇集 純、文学』 北野武さん刊行の言葉、全文公開!

 芸人、映画監督、俳優、画家……これまで様々な分野で活躍されてきたビートたけしさんが、初めて「北野武」名義で執筆された小説作品集『北野武第一短篇集 純、文学』を、10月18日に発売いたします。 『北野武第一短篇集 純、文学』収録作は、小説家としての圧倒的な才能が詰まった5作品となります。 売れない芸

第56回文藝賞受賞作の感想ツイートで当たる! サイン入り単行本つめあわせトートバッグプレゼント

10月7日発売の「文藝」冬季号で発表された第56回文藝賞受賞作。この発表を記念し、Twitterで受賞作(宇佐見りん「かか」/遠野遥「改良」)の感想を投稿していただいた方の中から抽選で各3名の方に、受賞作2作の単行本及び河出オリジナルトートバッグをプレゼントします。以下応募要項を読み、奮ってご参加く

「タイという土地の裸の姿」 タイ出身の作家が自国のデモや政変を背景に流動する国家の欲望を描く──ウティット・ヘーマムーン 著/福冨渉 訳『プラータナー 憑依のポートレート』書評

  この小説においては、すべてが「流体」である。いや、小説自体が、何色もの絵の具が溶かされた、極彩色の「水」なのだ。 時系列も、空間も、性も、そして主人公である「彼」自身の肉体や精神も。常に流動し、混ざりあっている。 冒頭、カラヴァッジョの「ナルキッソス」さながら、水面に映る自身を見つめて

神と愛と日本を撃つ――お仕事小説であり結婚式小説 古谷田奈月 著『神前酔狂宴』

 途中までずっとファンタジーだと思っていたのだ。その前に読んだ「望むのは」は、ゴリラやアライグマが普通に人と暮らしている世界のお話だったし、「リリース」は男女同権の世界を描いたSF的なお話だったから。 だからきっと、これもきっとそのうち神様が出てきたり、不思議な世界に行ったり、異類婚姻譚的な展開にな

対立も断罪もしない新しい夫婦のありかたとは? 島本理生が読む「作家の夫と書かれる妻」──彩瀬まる著『森があふれる』書評

  不思議だったことがある。 たとえば道に迷ったとき、問題に突き当たったとき、目の前の相手の気持ちが分からないとき、頑ななまでに相談することを避ける男の人が多いのはなぜだろう、と。『森があふれる』の中で、「最後まで弱いままで愛される少年漫画の主人公なんていないんだ」という台詞を読み、あの奇

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