日本文学

大高齢者時代に生まれた凄絶なフォークロア

『どんぶらこ』いとうせいこう 著大高齢者時代に生まれた凄絶なフォークロア[レビュアー]中島京子日本の総人口における80歳以上の老人の数は、2015年に1000万人を突破した。このうち、要介護者の割合は、80~84歳で3割、85歳以上だと6割を超える。介護はいまや、誰もが直面する課題だ。小説では、二つ

500人が受講した大人気講義!第14回は演劇ユニット・チェルフィッチュ主催・岡田利規が語る、現代劇にも通じる「能・狂言」の魅力

2017年6月13日(火)19:00〜河出書房新社130周年記念企画「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」連続講義作家と楽しむ古典第14回「能・狂言」講師:岡田利規   日本では室町時代に大成したと言われる「能」、そして室町時代の庶民が活躍する滑稽劇「狂言」。2014年1

合わせ鏡のアイロニー

『成功者K』羽田 圭介 著書評も小説で書かないといけない小説[レビュアー]豊﨑由美 ゾンビ映画の枠組みを用いて、「文学」や「文壇」ひいては「世間」に流通しているバカバカしくも重苦しい「文脈」を露わにし、叩き斬った快作にして怪作『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』。そこに作者本人を彷彿させるK

「10代の『リアルな読みたい』がここにある」――エブリスタ×河出書房新社の「5分シリーズ」にこめた想い

10代がリアルに読みたい小説を刊行したい。それがすべての始まりでした。もちろんプロの作家さんに依頼して、高いクオリティの作品も刊行していきたいと思います。でも自分が10代前半だったころ、書店に並んでいる書籍にどこまで心を奪われたか。親や先生から薦められる本にどこまで興味をもったか。大人に言われること

担当編集者が語る、『成功者K』は事実かフィクションか

人間の環境は突如変わる。しかも劇的に。ゆっくりと変わってくれれば対応できることも、それが一瞬の変化となれば、心がついていくものではない。人間を変化させる要因はさまざまだが、中でも芥川賞というものはこれがなかなか強敵だ。受賞したことで期待したほどの変化のないケースの方がむしろ多いのだが、一方であまりに

書評も小説で書かないといけない小説

『ひょうすべの国』笙野頼子 著書評も小説で書かないといけない小説[レビュアー]松波太郎 1「書評って、あんまり書きたくないんすよ、ぼく」正確には新聞やスポーツ誌で二度三度それらしきものを書いたことはあるけれど、それは小説が載せられる場ではなかったからだ。文芸誌では小説だけ書いていればそれで

「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」、第Ⅲ期いよいよ刊行開始! 最新刊は太平洋戦争前夜までを描いた超絶技巧の作家たちの傑作・名作ぞろい!

累計39万部を突破した大好評の「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」(河出書房新社刊)。第Ⅲ期のはじまりは、収録作家の全容が明らかにされていなかった『近現代作家集 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』の第1弾『近現代作家集 Ⅰ』(3月14日発売)。この100年の間に書かれた傑作、いまこそ読むに値する名作12篇を精選したアンソ

聴け、琵琶法師たちの歌を

『平家物語』古川日出男 訳  聴け、琵琶法師たちの歌を [レビュアー]柴田元幸 古川日出男による現代日本語訳『平家物語』は、むろんほとんどの読者は黙読するとしても、少なくとも読み手の脳内で「聴かれる」ことを意識している(というか願っている)翻訳であるように思え

このグロテスクさは虚構じゃない

『一〇一教室』似鳥鶏 著  このグロテスクさは虚構じゃない [レビュアー]永江朗 なんておぞましい小説だろう。この本を、たとえば夕食後ののんびりした時間だとか、ベッドで眠りにつく前の時間だとかに読むのはおすすめしない。消化に悪そうだし、悪い夢を見そうだ。学園を

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