文藝

宇佐見りん芥川賞受賞第一作『くるまの娘』試し読み

車で祖母の葬儀に向かう、17歳のかんこたち一家。思い出の景色や、車中泊の密なる空気が、家族のままならなさの根源にあるものを引きずりだしていく。52万部突破『推し、燃ゆ』に次ぐ、慟哭必至の最高傑作!   ===↓試し読みはこの↓へ===くるまの娘宇佐見りん  かんこ、と呼ぶ声がする

「文藝」夏季号掲載、文藝賞優秀作受賞第一作の新胡桃「何食わぬきみたちへ」試し読み

向き合わずにいられて、安全圏で生きられて、いいな――。高校の教室、ひりつく記憶。第57回文藝賞優秀作受賞の著者による第二作。  ===↓試し読みはこの↓へ===何食わぬきみたちへ新胡桃 伏見の場合  ピピッと小気味よい電子音が鳴った。スイカで改札を出てすぐバスに乗り、し

「文藝」夏季号掲載、でか美ちゃん「名前だけでも覚えてください」試し読み

私には特別な才能があるはずなのに、いつもいつも“普通”で、名前も普通、あだ名さえつけてもらえない。名前を巡る冒険を描く、著者初の小説。===↓試し読みはこの↓へ===名前だけでも覚えてくださいでか美ちゃん 田中由美 今ここで立ち上がって、大きい声でも出したら、私、どうなっちゃうんだろう。「えー、文武

「文藝」夏季号掲載、山下紘加「あくてえ」試し読み

あたしの本当の人生はこれから始まる――。九十歳の憎たらしいばばあと、面倒見が良く気弱な母と三人で暮らす小説家志望のゆめ。鬱屈を悪態に変えて己を奮い立たせる十九歳のヘヴィな日常。===↓試し読みはこの↓へ===あくてえ山下紘加  あたしは日頃から、あくてえばかりつく。「あくてえ」は、悪口や悪

作家・円城塔は、『その午後、巨匠たちは、』を読みながらこう考えた。

『草枕』を持ち出すまでもなく、絵画と小説の相性はよい。 どちらも何かを描くのである。片方は文字で、他方は色の広がりで何かをそこに、止まった形であらわすのだが、何が描かれているかについての議論は込み入る。 ごく素朴には、どちらも現実の何かを描くのであり、であるならば、そこには主客というものがある。とこ

加害者の「私」が罪とどう向き合うか。「正しさの存在しない物語」、李龍徳『石を黙らせて』(大江崇允・評)

『石を黙らせて』は読み手の共感をどこか拒絶する……巧みに。言葉を選ばず書くと、そんな小説である。そして何より、そこが傑作であった。 小説は主人公「私」が婚約者にある過去を告白する場面から始まる。彼は十七歳の時、親友の松原幹央を含む仲間四人で女性をレイプした過去を持っている。忘れていた、忘れたい罪を彼

MOMENT JOONの問いと思索に引き裂かれる『日本移民日記』

痛々しさを孕んでいる日記だ。あなたをどこまでも追い詰め、常識と価値観を丁寧に丁寧に引き裂いてくる。 著者のMOMENT JOONは韓国出身、大阪在住の移民ラッパーであり、二〇二〇年に発表したアルバム『Passport & Garcon』はその年のベスト・ヒップホップ作品との声を集めた。試しに

ゆっきゅんが「心を鋭敏で居続けさせてくれる読書体験」と評する、最果タヒの最新小説集『パパララレレルル』

 なんかもっと…心みたいに生きないとダメだ。先週、久しぶりに映画館へ行って、登場人物たちの切迫した感情が世界の中心にあるような作品を観た。背景もセリフも物語も音楽もこの子たちの心のためだけにある。自分もこのように心みたいに正直に新しく在りたいし作りたい、もっと追求出来るはずだと覚悟を決めた。 あの夜

作家・新胡桃が震撼した「ほんとうのころし、ころされ」とは? 町屋良平著『ほんのこども』

 MADとは、既存の映像・画像をいち個人が継ぎ接ぎしてつくる作品の事だ。 本書を読み始めてすぐ、数年前にネットで見かけたあやしげなMADを思い出した。四分の一秒毎にすばやく切り替わる映像は様々で、セル画時代のアニメーションから蝶の飛び立つ様子、戦前の政治情勢を記録したものと思われるモノクロフィルムに

「文藝」春季号掲載、桜庭一樹「波間のふたり」第1回を試し読み

「幸せそうな若い女」を狙う刺傷事件を機に再会した同級生二人。数日後、隅田川沿いで待ち合わせると、二人から見えるスカイツリーが別の色をしていて―!? 作家の新境地を築く長篇新連載。===↓試し読みはこの下へ↓===vol.1 All the things she said  一  

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