少女は何から逃げているのか? 現代ネットホラーの第一人者が紹介する複雑かつ緻密な上に歪んでいる物語
廣田龍平(文化人類学者、民俗学者)
十六歳の少女ふうかは父親と同じくらいの年齢のITベンチャーCEOである碧と同棲し、金銭的には不自由なく暮らしている。リビングルームには、碧が前に交際していた女性の制作したマネキンが置かれていて、それに見つめられながら、ふうかは「浮遊」というホラーゲームに没頭する。ゲームの主人公はふうかと同世代の少
2023.02.24書評
廣田龍平(文化人類学者、民俗学者)
十六歳の少女ふうかは父親と同じくらいの年齢のITベンチャーCEOである碧と同棲し、金銭的には不自由なく暮らしている。リビングルームには、碧が前に交際していた女性の制作したマネキンが置かれていて、それに見つめられながら、ふうかは「浮遊」というホラーゲームに没頭する。ゲームの主人公はふうかと同世代の少
2023.02.24橋本絵莉子(ミュージシャン、シンガーソングライター)
書評執筆のご依頼を受けてすぐに、ネットで書き方を調べました。普段から加納さんのエッセイを読んだり、Aマッソの漫才を見たりして、なんて頭の回転が速くてまっすぐな人なんだろうと思っていたから、そんな人が書いた本の書評が私に務まるんだろうかと、とても不安になったからです。 でも、新刊の発売をすごく楽しみ
2023.02.24評・高原英理(小説家)
この詩になりかかりつつ小説であることを堅持している小説の書き方は、自分の『詩歌探偵フラヌール』を書いていた時の息の使い方に似ていると思った。『詩歌探偵フラヌール』は文字で記録をするものの、その言葉の広げ方は一回限りの、ライブのような姿勢で書かれた。「文学の本領とは、言葉を書き連ねていくごとに世界が
2023.01.23上坂あゆ美(歌人)
短歌をつくるのが楽しかったことなど、一度もないのかもしれないということについて考える。私にとって短歌制作は、嘔吐をこらえながら自分の呪いを見つめ、ひたひたと泣く夜を乗り越え、なんとか形にする作業。どちらかと言えば快楽主義の自分が、なぜそこまでするのだろうと考えると、それはきっと私が、できるだけ鋭く
2022.11.15