単行本 書評

「ちょっとフリージャズとかそういうのの演奏に似ている。」(本文より)――山﨑修平デビュー小説『テーゲベックのきれいな香り』書評
評・高原英理(小説家)
この詩になりかかりつつ小説であることを堅持している小説の書き方は、自分の『詩歌探偵フラヌール』を書いていた時の息の使い方に似ていると思った。『詩歌探偵フラヌール』は文字で記録をするものの、その言葉の広げ方は一回限りの、ライブのような姿勢で書かれた。「文学の本領とは、言葉を書き連ねていくごとに世界が
2023.01.23書評
評・高原英理(小説家)
この詩になりかかりつつ小説であることを堅持している小説の書き方は、自分の『詩歌探偵フラヌール』を書いていた時の息の使い方に似ていると思った。『詩歌探偵フラヌール』は文字で記録をするものの、その言葉の広げ方は一回限りの、ライブのような姿勢で書かれた。「文学の本領とは、言葉を書き連ねていくごとに世界が
2023.01.23上坂あゆ美(歌人)
短歌をつくるのが楽しかったことなど、一度もないのかもしれないということについて考える。私にとって短歌制作は、嘔吐をこらえながら自分の呪いを見つめ、ひたひたと泣く夜を乗り越え、なんとか形にする作業。どちらかと言えば快楽主義の自分が、なぜそこまでするのだろうと考えると、それはきっと私が、できるだけ鋭く
2022.11.15