日本文学

【試し読み】菅野彰の新境地! 少年の左腕に残る火傷の痕に残された真実を巡る、 心揺さぶるストーリー! 『硬い爪、切り裂く指に明日』2

宮城県の海のある街に暮らす高校生の平良。もうすぐ16歳の誕生日を迎える彼は、共に暮らす極端に若く見える眞宙が実の父親ではないと気づきながらも、かたわらに在り続けることを強く望んでいた。眞宙と平良の本当の関係は?そして平良の選んだ道とはーー? 本当は今日、平良はこの少女とセックスをしてみようと思ってい

【試し読み】菅野彰の新境地! 少年の左腕に残る火傷の痕に残された真実を巡る、 心揺さぶるストーリー! 『硬い爪、切り裂く指に明日』1

宮城県の海のある街に暮らす高校生の平良。もうすぐ16歳の誕生日を迎える彼は、共に暮らす極端に若く見える眞宙が実の父親ではないと気づきながらも、かたわらに在り続けることを強く望んでいた。眞宙と平良の本当の関係は?そして平良の選んだ道とはーー?  十二月二十五日クリスマス当日の三歳の誕生日、三

出会い系サイトで 70人と実際に会って その人に合いそうな 本をすすめまくった 一年間のこと を読んだ人に、 花田菜々子がおすすめしたい9冊

菜々子、33歳。職業、書店員。既婚、ただし別居中── 読めば勇気が湧いてくる、衝撃の実録私小説!花田菜々子さんのデビュー作、青春実録私小説『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』。多数の共感の声を集め、デビュー作として異例の9刷 37000部を突破、読

やっかいな他者──「関係性マニア」が編み出す人間関係の妙──青山七恵『ブルーハワイ』書評

  そういえば以前インタビューで、青山七恵は自分を「関係性マニアだ」と言っていたな──と、新作短篇集『ブルーハワイ』のページをめくりながら思い出した。収録作六篇はどれも、人間関係の中で生まれる複雑な感情の振動が微細に綴られている。描かれるのは家族や友人といった間柄が多いが、どれも女同士であ

読後に残るのはまごうことなき『義経記』なのである──町田康『ギケイキ② 奈落への飛翔』書評

  町田康『ギケイキ』は、『義経記』の現代語訳というわけではないのだが、だからといって翻案というほど原作から離れているわけでもなく、いうなれば、かなり“盛っている”『義経記』現代語版だ。なにしろ原作の三倍増しぐらいに長い。ところが、読み終わって思い出す『ギケイキ』は、不思議なことにまるっき

あたらしい「日本語文学」の地平──温又柔『空港時光』書評

  イルマ・ラクーザという、一九四六年にチェコスロヴァキア(現スロヴァキア領リマフスカー・ソボタ)に生まれた作家のエッセイ集がこのところ続けて邦訳された。その内の一冊、『もっと、海を』(鳥影社/新本史斉訳)には表紙を開いてすぐに、スカンジナヴィア半島から南は地中海まで、ヨーロッパ全域をカバ

鎮魂の物語──町田康『ギケイキ② 奈落への飛翔』書評

  判官贔屓、という言葉がある。弱者、敗者に必要以上に同情を寄せ感情移入する人間心理を指す。周知のように、この言葉の由来は、我らが九郎判官、すなわち源義経にある。義経は検非違使左衛門尉に任官しており、尉のことを判官というからである。 判官贔屓という言葉が生まれるほど、日本人は義経を愛してき

モテの身体性──片岡義男の小説はいつもいいにおいがする

片岡義男『くわえ煙草とカレーライス』書評  コーヒー、カレーライス、万年筆のインク、玉子サンド。片岡義男の小説はいつもいいにおいがする。いくつも登場する喫茶店は香りに満ちていて、とびきり居心地がよさそうだ。たとえばこんな描写。〈コーヒーをひと口だけ飲んだ彼女は、自分はいま考えごとをするのだ

くっついて、わからなくなる──島田雅彦「絶望キャラメル」書評

 「絶望」、は小説にはよく出てくるかもしれない。「キャラメル」はそこまで小説では見かけないけれど出てこないことはない。でも「絶望」と「キャラメル」の組み合わせは、たぶん初めて。くっつけて「絶望キャラメル」にすると、絶望も、キャラメルも、ちょっと、おかしくなって、よくわからなくなる。 そんな

落語とハムレットの「世界」で ── 橋本治『おいぼれハムレット』書評

 座布団に正座した落語家はパーパー言いながら、何もないからこそ何でも生み出すことができる。つじつまは客が合わせる。例えば、頭上から桜の木が生えた男。ここまでは誰でも絵を浮かべられる。ただ、これが、頭上の桜を根こそぎ引っこ抜かれてできた巨大な穴が池となり、屋形船だなんだでどんちゃん騒ぎ、その騒音でノイ

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