文藝

文芸季評 山本貴光「文態百版」:2018年3月〜2018年5月

初出=「文藝」2018年秋季号(第1回はこちら)  1 全体の傾向文芸時評はなにを対象とすればよいか。その境界線を自明視せず、考えながら探ってゆこう。前回、そのように述べた。ただし、いきなりあれもこれもと見るわけにはいかないので、まずはいわゆる五大文芸誌「群像」「新潮」「すばる」「文學界」

「恋」と「努力」と「友情」の超進化系青春小説 町屋良平『しき』(第159回芥川賞候補作)試し読み公開!

「は?好きな季節?そんなのねぇよ!」とは言えず、 仕方なく消去法で秋を選んできた自分に突きささった。 町屋良平が好きすぎる。──尾崎世界観(クリープハイプ) 昨日7月18日、第159回芥川賞・直木賞受賞作が発表されました。芥川賞は高橋弘希さん「送り火」、直木賞は島本理生さん『ファーストラヴ

文芸季評 山本貴光「文態百版」:2017年12月〜2018年2月(その2)

山本貴光による文芸季評「文態百版」2017年12月〜2018年2月(その1)からの続き  ◎初出=「文藝」2018年夏季号 5.全体の傾向というわけで、「群像」「新潮」「すばる」「文學界」「文藝」の五誌について、二〇一八年一月号、二月号、三月号を検討対象とする。このうち「文藝」だけは季刊誌

文芸季評 山本貴光「文態百版」:2017年12月〜2018年2月(その1)

初出=「文藝」2018年秋季号1.なぜいま文芸時評か これからこの場をお借りして文芸時評を始める。「文藝」といえば一九三三年創刊の古い歴史をもつ文芸誌(編集主任=上林暁、改造社)。そのような場所で、もとより文芸の専門家ではない身としてはおこがましい限りだけれどそこはそれ。土地に不慣れな者の

[書き下ろし短篇小説]ウラミズモ、今ここに

笙野頼子さんより短篇小説をご寄稿いただきました。 作品内で予告されている新作小説は「文藝」で発表予定です。 こちらの掲載も楽しみにお待ちください。(編集部I) /笙野です。ごぶさたしています。慢性腎不全の老猫の看病をしつつ、TPP警告小説『ひょうすべの国』の続篇「ウラミズモ奴隷選挙」を書いています。

「植本さん」植本一子『降伏の記録』書評

自分は、家族や自身をどこまで晒すことができるのか? 植本さんの本を読むといつも考えてしまう。洋式便所に溜まっている水を泡立たせながら小便をするのが密かな楽しみだったり、父親が一度蒸発したことがあるのだが、どこまで晒せるのだろう。父の蒸発は、拙著で小説にしたけれど、あくまで小説なので、そのまま書いてい

地下鉄サリンから23年──逆さに吊るされた女 田口ランディ『逆さに吊るされた男』書評

逆さに吊るされた女 本作は「私小説」と銘打たれている。地下鉄サリン事件の確定死刑囚Yとの十年を超える交流は、作者である田口ランディに、安全地帯にいて客観的なノンフィクションを書くことも、事実を離れた心地よいフィクションを書くことも許さなかった。それは彼女が田口ランディだったからと言うほかな

芥川賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』 受賞24日で、50万部突破

第158回芥川賞受賞作 若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』(河出書房新社 東京都渋谷区・代表取締役社長小野寺優)が発行50万部を突破しました。同賞の過去10年においては、又吉直樹『火花』、村田沙耶香『コンビニ人間』に次ぐ部数です(出版科学研究所調査による)。若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』は2

63歳主婦のデビュー作がいきなり芥川賞受賞! 『おらおらでひとりいぐも』の若竹千佐子さんってどんな人?

写真:小林紀晴【63歳・主婦が突如、芥川賞作家になるまで。】2017年10月、1つの作品が発表されました。若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』。岩手県遠野市出身の専業主婦・若竹千佐子さんが書いたデビュー作となる小説で、選考委員の藤沢周さん、保坂和志さん、斎藤美奈子さん、町田康さんが絶賛し第54回文藝

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