【真山仁 特別寄稿】奇跡は、しなやかな現場主義から生まれた──泉賢一『ミャンマー金融道 ゼロから「信用」をつくった日本人銀行員の3105日』書評
真山仁
2016年3月、ミャンマーを訪ねた。拙著『プリンス』の取材のためだ。同作は、東南アジアの軍事政権国家で、初めて大統領選挙が行われた中で、日本で政治運動を行ってきた大学生が、騒乱に巻き込まれるという物語だ。 小説の舞台は架空の国家だが、軍事政権から民政化へと舵を切ったミャンマーの状況が参考になると考
2022.03.29ノンフィクション
真山仁
2016年3月、ミャンマーを訪ねた。拙著『プリンス』の取材のためだ。同作は、東南アジアの軍事政権国家で、初めて大統領選挙が行われた中で、日本で政治運動を行ってきた大学生が、騒乱に巻き込まれるという物語だ。 小説の舞台は架空の国家だが、軍事政権から民政化へと舵を切ったミャンマーの状況が参考になると考
2022.03.29泉賢一
本書は、二〇一三年に突然ミャンマーでのプロジェクトを任されることになった、元銀行員の八年間の活動を綴った物語だ。その男は、やがてミャンマーの地場銀行でCOO(Chief Operating Officer)を務めることになる。 ご承知のように、ミャンマーは二〇二一年現在、国軍のクーデターによって混
2021.12.28評者・内田剛
2021年7月26日、エディ・ジェイク著『世界でいちばん幸せな男』(金原瑞人訳)が刊行されました。本書は、第二次世界大戦下、ナチスによるホロコーストに遭い、アウシュヴィッツ他の強制収容所から生還した、現在101歳になるエディ・ジェイクさんが記したノンフィクション作品です。想像を絶する絶望
2021.08.03評者・土方正志
東日本大震災から10年、フィクションと現実の臨界点を描いた新たな名作――いとうせいこう著『福島モノローグ』(土方正志 評)土方正志 最初にまずは断っておかなければならない。これは書評ではない。というのは、なにせ本書には私の名も登場している。さらにこの十年、いとうさんとは被災地の編集者としてトークイベ
2021.05.06押野 素子
『私の名前を知って』シャネル・ミラー著 押野素子訳46変形 本体2,600円(税別) 472ページ 「被害者」には名前がある。彼女の言葉を吸収したら、きっと想像できるはず。私たちはここにいる。――伊藤詩織(ジャーナリスト) ◆全米批評家協会賞〔自伝部門〕受
2021.02.24評者・小田原のどか
近代日本哲学の「真の起源」へ ――安藤礼二著『熊楠 生命と霊性』 小田原のどか 言葉とは使い、使われるもの、人の道具である。とはいえ、その使用方法は様々だ。この書評はウェブ転載もされるということなので、読者がどのような環境で、メディアで、これを読んでいるかはわからない。いずれにしても、インターネット
2021.02.04方方 飯塚容・訳
『武漢日記』著者・方方へのロングインタビューを一挙掲載!中国の武漢で最初に新型コロナウイルスの感染が確認されてから1年――いまだ世界で猛威をふるうこのコロナ禍で、異例の都市封鎖を経験した地から、女性作家・方方(ファンファン)が発信し続けた60日間の記録『武漢日記』は、日本でも発売以降、大きな反響を呼
2020.12.10方方 飯塚容・訳
『武漢日記』著者・方方へのロングインタビューを一挙掲載!中国の武漢で最初に新型コロナウイルスの感染が確認されてから1年――いまだ世界で猛威をふるうこのコロナ禍で、異例の都市封鎖を経験した地から、女性作家・方方(ファンファン)が発信し続けた60日間の記録『武漢日記』は、日本でも発売以降、大きな反響を呼
2020.12.09方方 飯塚容・訳
『武漢日記』著者・方方へのロングインタビューを一挙掲載!中国の武漢で最初に新型コロナウイルスの感染が確認されてから1年――いまだ世界で猛威をふるうこのコロナ禍で、異例の都市封鎖を経験した地から、女性作家・方方(ファンファン)が発信し続けた60日間の記録『武漢日記』は、日本でも発売以降、大きな反響を呼
2020.12.08評者・北村紗衣
『存在しない女たち 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く』キャロライン・クリアド=ペレス 著 神崎朗子 訳四六判/本体2,700円(税別)/424ページhttp://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309249834/好評発売中社会に存在しないことにな
2020.12.02