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スペイン語圏を代表する作家フリオ・リャマサーレスの自選短篇集が発売!——『リャマサーレス』短篇集「訳者あとがき」公開 - 3ページ目

 リャマサーレスに話を戻すと、小説家としては寡作だが、それでも六年後の一九九四年に小説『無声映画のシーン』を、次いで翌年に、この『短篇集』に収められている『僻遠の地にて』(以前、ぼくはこの作品のタイトルに『どこにもない土地の真ん中で』という珍妙な訳をつけたが、これは誤訳である。ここに訳出した『短篇集』に収められているもう一作のタイトルには『激しくもむなしい熱情』という訳をつけたが、作中でこの一文が出てくる箇所を見ると、やはりしっくりこないので『いくら熱い思いを込めても無駄骨だよ』に変えたことをここでお断りしておく)を出版する。
 以下に、これまで彼が発表した作品の主なものを挙げておこう。

La lentitud de los bueyes(一九七九年、詩集)
El entierro de Genarín(一九八一年、中篇小説)
Memoria de la nieve(一九八二年、詩集)
Luna de lobos(一九八五年、邦訳『狼たちの月』ヴィレッジブックス刊、二〇〇七年)
La lluvia amarilla(一九八八年、邦訳『黄色い雨』ヴィレッジブックス刊、二〇〇五年、その後、河出文庫に収録)
El río del olvido(一九九〇年、紀行文)
En Babia(一九九一年、エッセイ)
Escenas de cine mudo(一九九四年、邦訳『無声映画のシーン』ヴィレッジブックス刊、二〇一二年)
En mitad de ninguna parte(一九九五年、邦訳『僻遠の地にて』本書に収録)
Tres historias verdaderas(一九九八年、短篇集)
Los viajeros de Madrid(一九九八年、エッセイ)
Cuaderno del Duero(一九九九年、紀行文)
El cielo de Madrid(二〇〇五年、小説)
Modernos y elegantes(二〇〇六年、エッセイ)
Entre perro y lobo(二〇〇八年、エッセイ)
Las rosas de piedra(二〇〇八年、紀行文)
Tanta pasión para nada(二〇一一年、邦訳『いくら熱い思いを込めても無駄骨だよ』本書に収録)
Las lágrimas de San Lorenzo(二〇一三年、小説)
Distintas formas de mirar el agua(二〇一五年、小説)
Cuentos cortos(二〇一六年、邦訳『水の価値』この中の一部がここに紹介した本書に収められている)
El viaje de Don Quijote(二〇一六年、紀行文)
Las rosas del sur(二〇一八年、紀行文)
Primavera extremeña(二〇二〇年、紀行文)

 実を言うと、この『短篇集』に収められている『僻遠の地にて』は、以前にテキストを入手し、訳し終えてフロッピーにとってあった。その後『いくら熱い思いを込めても無駄骨だよ』が出たので、こちらの方も入手して訳をはじめようとしたのだが、仕事の関係で延び延びになっていた。そんなところにリャマサーレスのエージェントからこの『短篇集』が送られてきたので、これは訳さなければと思ったが、抱えていた仕事があってなかなか取りかかれなかった。幸い、今回ようやく訳し終えることができたので、親しいリャマサーレス氏に大手を振ってメールができると喜んでいる。

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