
韓国SFが描く新しい価値観、新しい世界、新しい言葉ーーキム・ボヨン『どれほど似ているか』解説「わたしたちが手をつなぐために」(池澤春菜)
キム・ボヨン著 斎藤真理子訳
韓国ではいまSF小説が活況を呈しています。韓国SFのはじまりは、1960年代。韓国初の長篇SFとされる『完全社会』(ムン・ユンソン/未邦訳)は、朝鮮戦争から十数年後の軍事独裁体制下に発表され、男女間戦争の末に女性だけが残った世界を描き、それは、当時の男性中心の社会規範を転覆させる想像力による衝撃的な
2023.07.25ためし読み
キム・ボヨン著 斎藤真理子訳
韓国ではいまSF小説が活況を呈しています。韓国SFのはじまりは、1960年代。韓国初の長篇SFとされる『完全社会』(ムン・ユンソン/未邦訳)は、朝鮮戦争から十数年後の軍事独裁体制下に発表され、男女間戦争の末に女性だけが残った世界を描き、それは、当時の男性中心の社会規範を転覆させる想像力による衝撃的な
2023.07.25芦辺拓
「東京行進曲」「蘇州夜曲」「青い山脈」などで知られる名作詞家が遺した、伝説の元祖美少女アクション『あらしの白ばと』が、奇跡の復活! ペルーから来た老人、謎の純金人形、少女を狙うギャングたち、恐ろしい毒へび、地下室での監禁、とんでもない秘密兵器…… 絶体絶命の危機に、正義の少女たち
2023.07.24児玉 雨子
===↓無料公開はこちらから↓=== 「##NAME##」児玉 雨子 二〇〇六年 七月 ハウススタジオの二階にある一室で、美砂乃みさのちゃんがニップレスシールを私に手渡しながら「てか台形の面積の公式知ってる?」と訊いてきた。ちょうど習ったばかりだったので
2023.07.21若竹千佐子
===ためし読みはこちら===かっかどるどるどぅ「第四話 よき人の」 「どうぞ、入って」 夜の九時過ぎ。もう今日はこれで仕舞しまいかなと思って玄関のドアを閉めようとしたら、まだいた。玄関先で突っ立ったまま、何やら言いよどむ男の袖口を引っ張って上がり框かまちまで引き入れた。 おずおずとして
2023.06.23かげはら 史帆
=====試し読みはこちら===== 一九一〇年十二月に、あるいはその頃に、人間の性質が変わった。 ―― Virginia Woolf わたしはアンナを偵察に行かせた ―― わたしたちが「プティ」とひそかに呼んでいる ニジンスキーのところに。 ―― Romola
2023.06.08カレン・ラッセル 松田青子訳
この度、現代アメリカ文学の最前線にいる作家のひとり、カレン・ラッセルの最新作品集を刊行します。悪魔に授乳する新米ママ、〈湿地遺体〉の少女に恋した少年、奇妙な木に寄生された娘、水没都市フロリダに棲むゴンドラ乗りの姉妹──。ダークでファンタジックな想像力で現実の不条理をえぐりだすラッセルの、よりいっそう
2023.05.24宇野常寛
評論家・宇野常寛さんが初めて中高生に向けて書いた『ひとりあそびの教科書』。ランニングや虫採り、旅行といったアウトドアから、模型、ゲーム、映画といったインドアまで様々なあそびを「ひとり」でとことん行うことで、「みんな」と過ごす時には見えていなかった世界が広がり、もっと深く面白いものを見つけ出すことがで
2023.05.15田村 文
同通信社文芸記者の田村文さんによる、11年間560回を超える中高生向け読書案内の連載を書籍化しました。本書には、先日逝去された大江健三郎さんの『芽むしり仔撃ち』の書評を収録しています。これから大江さんの本を読む方や多くの著作の中から何を読み返そうか迷っている方に、ぜひお読みいただけましたら幸いです。
2023.04.20田村 文
共同通信社文芸記者の田村文さんによる、11年間560回を超える中高生向け読書案内の連載を書籍化しました。「本を読むことの面白さを知ったなら、あなたの人生、しめたものだ」。この本をきっかけに、この先きっと何度でも読み返すことになる大事な一冊に、出会ってほしいと願っています。今回は本書に3つ収録したコラ
2023.04.20ダンティール・W・モニーズ著 押野素子訳
@Marissa Pilolli デビュー作『ミルク・ブラッド・ヒート』が刊行されると、アメリカの有力誌が次々と絶賛し、一躍アメリカ文学の最前線に立つひとりとなったダンティール・W・モニーズ。待望の日本語版発売がいよいよ近づいてきました。死に取り憑かれた少女たちの誓約を描いた表題作を含め、
2023.04.11