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友達にはなりたくないがずっと見ていたいヒロイン。『風と共に去りぬ』(全五巻)

『風と共に去りぬ』(全五巻)マーガレット・ミッチェル著/鴻巣友季子訳『風と共に去りぬ』(全五巻)マーガレット・ミッチェル著鴻巣友季子訳【評者】江南亜美子過去の海外文学の名作を、現代的な読みやすい訳文と装幀でよみがえらせる各出版社の古典新訳の試みは、日本語翻訳者のレベルの高さもあって、もはや一過性のブ

僕はかつてこのような小説を書いてみたかったのだ。『アメリカ大陸のナチ文学』

架空の事象について、ああでもないこうでもないと考えて過ごすのは、楽しい……ありもしないことについて、できるだけ、もっともらしく心がけて書くのも楽し い。ロベルト・ボラーニョの『アメリカ大陸のナチ文学』は、小説の根源的な面白さである、いい年した大人がデタラメを真剣に捏ねくり廻すという、まともな 人間で

なぜ、鷗外と漱石は同時代人なのか。『鷗外と漱石のあいだで──日本語の文学が生まれる場所』黒川創

『鷗外と漱石のあいだで──日本語の文学が生まれる場所』黒川創著『鷗外と漱石のあいだで──日本語の文学が生まれる場所』黒川創著【評者】加藤典洋なぜ、鷗外と漱石は同時代人なのか。こういう問いを、起点とした本はこれまで見なかったように思う。この本の主人公は、人というよりも時代と地理である。冒頭に出てくる台

「悪」と名指すもの/名指されるものたちすらも転倒する、 異形の小説。『悪声』いしいしんじ

『悪声』いしいしんじ著(文藝春秋)『悪声』いしいしんじ著【評者】水無田気流廃寺のコケに置かれていた「なにか」。赤ん坊のような姿だが、あきらかに人間とは異なる物を見、聴くことができる。いや、聴覚や視覚といった感覚の間の垣根が低く、混在した独自の感性を持っていると言ったほうがいいだろう。とりわけ特異なの

作家の想像力/創造力は、『源氏物語』と『平家物語』の世界を、一筋につないでしまった。『女たち三百人の裏切りの書』古川日出男

『女たち三百人の裏切りの書』古川日出男著『女たち三百人の裏切りの書』古川日出男著【評者】中島京子子どものころ素朴に疑問だったのは、『源氏物語』と『平家物語』がまったく違う話なのはなぜか、だった。『源氏』のなよなよぶりがまったく「源平合戦」と結びつかない。時代が違うとか、一方はフィクションで一方はノン

【試し読み】文藝連載中の町田康『ギケイキ』最新話

町田康「ギケイキ」(第十三回)    巻四(承前) 私は静の乳をいらったり口を吸ったりしただろうか。多分、したと思う。けれどもあまりにも前後不覚に酔っていたため、それ以上のことはできず意識を失った。なので以下に記すことは後で人に聞いたり、本で読んだりして知ったことなのだが、そうして私に中途半端に身体

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