日本文学

「文藝」秋季号掲載、長井短「ほどける骨折り球子」試し読み

妻の球子(たまこ)は俺を庇って骨折ばかりする。俺も球子を守りたくて夫婦で〝守りバトル〟に没頭するある日、勤め先に俺が会社の金を横領していると電話が入り―。俊才の小説第二作、初中篇。===↓試し読みはこの↓へ===ほどける骨折り球子長井短  球子の骨折が治ったのは結婚記念日の前日で、これで明

第167回芥川賞候補!山下紘加「あくてえ」試し読み公開中!

あたしの本当の人生はこれから始まる――。九十歳の憎たらしいばばあと、面倒見が良く気弱な母と三人で暮らす小説家志望のゆめ。鬱屈を悪態に変えて己を奮い立たせる十九歳のヘヴィな日常。第167回芥川賞候補作。 ===↓試し読み↓===あくてえ山下紘加  あたしは日頃から、あくてえばかりつ

「ダンシング玉入れ」が描く、光と闇の世界

「ダンシング玉入れ」…このタイトルを見て反応してしまった貴方、ヅカオタですね? しかし、そんな貴方もきっと疑問に思ったに違いない。これはいったい何の本なのだ?と。 「ダンシング玉入れ」とは、「玉入れ」と「ダンス」を組み合わせた最近の運動会の競技である。これが宝塚歌劇100周年にあたる201

吉本ばななの最新エッセイ集『私と街たち(ほぼ自伝)』より、「甲州街道はもう春なのさ」試し読みを公開!

吉本ばななさんの最新エッセイ集『私と街たち(ほぼ自伝)』が発売されました。子ども時代を過ごした東京の下町のお話から、変わりゆく下北沢の風景まで、「街」を通じて、忘れがたい折々の記憶をひもとく一冊です。刊行を記念して、本書の第一章にあたる「甲州街道はもう春なのさ」の前半部分を公開します。ぜひご一読くだ

【劇場アニメ犬王公開直前対談】消えた存在をどう描くか ―「犬王」が蘇らせる表現の初期衝動★湯浅政明×古川日出男

古川日出男×湯浅政明           原作者と会うのは怖い?湯浅 こうして原作者の方と対面するのってけっこう緊張するんですよね(笑)。なんとなく嫁さんの父親みたいなイメージがあって。最初にお会いしたときもまだそんなに準備ができていないころだったので、作品に対する「知ってる度」が違いすぎて……実は

宇佐見りん芥川賞受賞第一作『くるまの娘』試し読み

車で祖母の葬儀に向かう、17歳のかんこたち一家。思い出の景色や、車中泊の密なる空気が、家族のままならなさの根源にあるものを引きずりだしていく。52万部突破『推し、燃ゆ』に次ぐ、慟哭必至の最高傑作!   ===↓試し読みはこの↓へ===くるまの娘宇佐見りん  かんこ、と呼ぶ声がする

ベランダに大いなる原野の樹木を干して —— 詩人・和合亮一が読む、尾崎世界観初歌詞集『私語と』

 詩を書く不思議さを考えることがある。 それはどこからやってくるのだろうか、と。ずっと詩を書きつづけてきたのだけれど、あらためてふと考え込んでしまう時がある。何度も、そういう機会を経験してきたが、しかしいつも何かが分かるというわけでもない。もっと言えば、答えが欲しいというのでもない。ただそうした〈書

無数の『お前』に届く私語 —— 歌人・大森静佳が読む、尾崎世界観初歌詞集『私語と』

私たちは、言葉があるから苦しむのか。それとも苦しいから言葉にすがるのか。 『私語と』は、クリープハイプの尾崎世界観が20年の歳月をかけて書きつづってきたもののなかから、よりすぐりの75曲をおさめた歌詞集である。言葉によってわかりやすくまとまる前の、胸の疼きのようなものを慎重に、ときに破れか

どこから言葉は生まれたか?——作家・山崎ナオコーラが読む、尾崎世界観初歌詞集『私語と』

 人類は、もともとは言葉を持っていなかった。 大昔、言葉はどこから生まれたんだろう?「誰かに何かを伝えたくて、そこから言葉が生まれた」と多くの人が想像するかもしれない。 けれども、本当にそうだろうか? 「ふと呟いた、ちょっとしたひとりごとが、人類の最初の言葉」ってことはないだろうか? ひとりごと、そ

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