単行本

加害者の「私」が罪とどう向き合うか。「正しさの存在しない物語」、李龍徳『石を黙らせて』(大江崇允・評)

『石を黙らせて』は読み手の共感をどこか拒絶する……巧みに。言葉を選ばず書くと、そんな小説である。そして何より、そこが傑作であった。 小説は主人公「私」が婚約者にある過去を告白する場面から始まる。彼は十七歳の時、親友の松原幹央を含む仲間四人で女性をレイプした過去を持っている。忘れていた、忘れたい罪を彼

MOMENT JOONの問いと思索に引き裂かれる『日本移民日記』

痛々しさを孕んでいる日記だ。あなたをどこまでも追い詰め、常識と価値観を丁寧に丁寧に引き裂いてくる。 著者のMOMENT JOONは韓国出身、大阪在住の移民ラッパーであり、二〇二〇年に発表したアルバム『Passport & Garcon』はその年のベスト・ヒップホップ作品との声を集めた。試しに

ゆっきゅんが「心を鋭敏で居続けさせてくれる読書体験」と評する、最果タヒの最新小説集『パパララレレルル』

 なんかもっと…心みたいに生きないとダメだ。先週、久しぶりに映画館へ行って、登場人物たちの切迫した感情が世界の中心にあるような作品を観た。背景もセリフも物語も音楽もこの子たちの心のためだけにある。自分もこのように心みたいに正直に新しく在りたいし作りたい、もっと追求出来るはずだと覚悟を決めた。 あの夜

作家・新胡桃が震撼した「ほんとうのころし、ころされ」とは? 町屋良平著『ほんのこども』

 MADとは、既存の映像・画像をいち個人が継ぎ接ぎしてつくる作品の事だ。 本書を読み始めてすぐ、数年前にネットで見かけたあやしげなMADを思い出した。四分の一秒毎にすばやく切り替わる映像は様々で、セル画時代のアニメーションから蝶の飛び立つ様子、戦前の政治情勢を記録したものと思われるモノクロフィルムに

異例の快挙達成! 川本直がデビュー小説『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』で読売文学賞を受賞!

2022年2月1日、第73回読売文学賞(主催:読売新聞社)が発表され、小説賞を川本直(かわもと・なお)著『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が受賞いたしました。かつては三島由紀夫氏、村上春樹氏、小川洋子氏らが受賞。2年ぶりとなる小説賞は、川本直氏が10年の執筆期間を経て完成させた初小説です。初小説で

祝! デビュー小説にして読売文学賞受賞 大胆不敵に虚実が入り乱れる──川本直『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』試し読み

作風は優雅にして猥雑、生涯は華麗にしてスキャンダラス。アメリカ文学史上に燦然と輝く小説家ジュリアン・バトラー。その生涯は長きにわたって夥しい謎に包まれていた。しかし、覆面作家による回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになる――。デビュー小説にして読売文学賞受賞!

本来の自分自身にアクセスし、願った以上の未来を手に入れる!『八百万の神様カード』発売

【願った以上の未来を手に入れる、パワフルなカード! 】自力を高め、強運へと導く 八百万の神様カード大杉日香理 松尾たいこ:イラスト瀧、山、太陽などの大自然、鹿、うさぎ、狐などの動物、お米、鏡、櫛などの日常のアイテム……33枚の開運オラクルカード入り。本来の自分自身にアクセスし、未来への希望を生み出す

ほんとうに社会のことが知りたいなら、小説を読むべきなのである ──高橋源一郎 斎藤美奈子『この30年の小説、ぜんぶ』(河出新書)「はじめに」

高橋源一郎さんと斎藤美奈子さんの初の対談集『この30年の小説、ぜんぶ』(河出新書)が発売になりました!本書では、雑誌「SIGHT」にて毎年行われていた大好評の年末企画「ブック・オブ・ザ・イヤー」を中心に、新規収録分も掲載しております。たくさんの読みたい本が見つかる最高の読書案内ともいえるでしょう。ち

【刊行記念公開】気鋭が贈る革命的思考法! ハナムラチカヒロ『まなざしの革命 世界の見方は変えられる』はじめに

あなたの「まなざし」は「思い込み」に満ちている! 山極壽一氏推薦。過剰な情報社会に気鋭のランドスケープアーティスト(風景異化論)が贈る「まなざし」の革命法とは?――『まなざしの革命 世界の見方は変えられる』はじめに公開。 はじめに多くの市民は善良であり、心根が悪いわけではない。そして多くの

「文藝」春季号掲載、桜庭一樹「波間のふたり」第1回を試し読み

「幸せそうな若い女」を狙う刺傷事件を機に再会した同級生二人。数日後、隅田川沿いで待ち合わせると、二人から見えるスカイツリーが別の色をしていて―!? 作家の新境地を築く長篇新連載。===↓試し読みはこの下へ↓===vol.1 All the things she said  一  

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